8月26日
HKM
良いソプラノの素質を持った方。
春先に体験で来て以来、コロナ禍のためにご無沙汰だった。
改めて聞くその声は、芯のある強めのソプラノという印象。
合唱団所属だが、その団が声を出させる趣旨にもよるのだろう。
とはいえ、もう少し柔軟性のある発声が喉にも負担がないし、ビブラートがついて息を回せる発声にすると楽で良く通る声になるし、音域も今より更に伸びると考えた。
そのことは追々練習できればと、中低音の息漏れ傾向が気になったので口を開けたハミングから響きを決めるという発声を練習。
このハミング時にピッチを高めに取ることが、声帯の息漏れをなくす一つの理由。
中低音の共鳴をつけるためには、母音発声で下あごを楽に降ろし口先を開けることで、口腔内の容積を加減して低音の共鳴を付ける、という考え方。
この発声で素晴らしく滑らかで艶のある中低音の声が出てきたが、そのまま息を滑らかにフレーズするようにと指示して高音発声に静かに移行すると、
高音の換声点5点Eくらいから、息が回った綺麗なビブラートのついた柔らかい高音発声が出るようになった。
Ombra mai fu
高声用で練習。全体に喉が高く少し締まった印象。
そのため、口を開ける発声を指導した。
出だしのOmbraのOの開け方や、最高音のSave piuのI母音やU母音の時に高音になる直前に口先を開くようにして、声を導くやり方等々。
私の実感では素晴らしい高音の響きだと思ったが、本人はどうだろうか?
Caro laccio
彼女には低めのキーなので、中低音の息漏れのない響き、ピッチの高い明るい響きを勉強するのには良いだろう。
それ以上に、歌を聴いていると彼女のが好みのようなものが感じられたことが収穫だった。
MO
発声は、今回も高音発声がメイン。
スタッカートの練習がトピックであった。
ドミソやドレミファソでの最高音を胸に当てるように。
もちろん音域が上がってくれば、最初から胸に当てるくらいでないと喉が高くなるだろう。
つまり、喉を上げないための発声法である。
コンコーネ37番。
モーツアルト、フィガロのアリアNon piu andrai falfarone amoroso
予想通り彼の声にピッタリであった。
この曲を歌いこなせるまでに歌声が成長していることを慶賀としたい。
後は声の強弱の指示通りに歌うべきだが、大事なことはなぜPになったり、Fで歌ったりするのか?という演劇的な理由を念頭に置いて歌うべきということ。
Piacer d’amor
低音発声とフレーズでの響きを伸ばしていく方法について。
歌い出した声の響きを伸ばしていくようにフレーズを歌うこと。
音符で切れているのではないこと。