SKMM

声の温まり具合と関係があるが、発声の始まりは下降形よりも上行形で高音側に喉の力みがまだ目立つ。
今回はこの点を、発声と歌の両方の側面で修正していった。

理屈は単純だが、声のミックスが未完成だと、4点b~hの小換声点を境に声の段差が付くため
5点C辺りから喉が突っ張ってしまう。
突っ張るというのは、喉が力んだ声になるという意味。
具体的にピッチが微妙に低く、声に力みが感じられてしまうこと。

更に上の5点Eで高音への換声が生じるので、ここから下降形を歌えば、この小換声点近辺の喉の硬さはなくなるわけである。
この理屈と実感があれば、意識して小換声点を超えるように発声できるはずである。

あるいは換声点を意識しなくても、換声点より低い音域での声の出し初めに換声点以降の声を想定していれば、
きれいにフレーズをトレース出来るようになるだろう。

コンコーネ26番はおおむね無難に歌い終えた。音符上の記号はアクセント記号であること。
スラーがあることと無いことの違い。
スラーのある滑らかに歌うのは意識だけで良いが、歌詞を歌う際にテクニックが必用になること。

ベッリーニのVaga luna
ピッチをうるさく言ったせいで、ピッチの良い歌声であった。
敢えて、この声をより声楽的な声質、響きにすることについて指導。

顎の出ない姿勢に正すことと、U母音での母音唱法で練習。
U母音にすることで、響きに深みが増し成熟した歌声感が出てくる。
U母音の口と声の感覚を変えないでA母音で歌ってみること。
つまりこのA母音の響き感覚が、彼女にとっての声楽発声の基礎的な声質と捉えてもらって構わない。

後は、どの母音も唇をもっと突き出すように発音すること。

次回はこの発声法の応用で、IEAOUの各母音を均一な口の形で発声する練習を試みたい。