ST

発声の声は、特に換声点の通過がすっきりと声が前に出るようになり、以前のひっかかりや音程の♭化が出なくなった。
曲の方は、夜の女王のアリア2曲。

1曲目「ああ、恐れ慄かなくても良いのです 我が子よ」は、母音で歌ってからドイツ語の発音と朗読、そしてリズム読みを徹底した。
母音での歌声は前回指摘した点が改善されて、良くなっていた。
堂々としていること、毅然とした雰囲気、怒りの表現という違った表現を意識して。

ドイツ語の読みが不十分で、更に自習が必用なレベルである。
とにかく次回のレッスンまでにすらすらと読めることと、歌のリズムでもすらすらと読めることを目指しておいてほしい。
歌う練習は必要ないくらいである。

2曲目「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」は、ほぼ出来上がっているが、やはりまだ換声点近辺のこの曲内の中音域の発声に問題がある。
それは前回と同様に、高いコロラトゥーラ音域の発声のままで歌ってしまうために、もろに締まった叫び声になってしまうことである。
換声を明快にして、喉のポジションが高過ぎないように注意したブレスと声の出し初めに気を遣うことを忘れずに。

2曲とも思い切って声を積極的に出していくことは身についてきた。
あとは、換声点の切り換えは特に高音から降りたときに要注意である。

MMH

発声の声明るく音程感が良い。高音域も徐々に伸びている印象。
5点Aから更に高い喉になるので、更に高音への対処を覚えると、高音がさらに伸びるだろう。

コンコーネ35番。
2ページ目のEspressivoと指示が有る部分は、声質の充実感があれば更に良かった。
後、時々音程感が不安定な印象が残ったのは、声の小さな換声の影響かと思われる。
後の曲にも出てくるが、声の切り替わりをより意識したフレーズの歌い方を覚えると良いだろう。
切り替わりポイントは、4点b~5点Cにかけて。

ベッリーニの Ma rendi pur contento
Gli affani suoi~の短調に転調した時のピッチの違いを更に意識してほしい。
suoiはsuoでOを伸ばす方がPaでAを伸ばすよりも良いと指示。
転調後のサビに向けてはクレッシェンドなど、メロディが表現している強弱を良く感じて歌うこと。
最後の2つのフェルマータの扱いを練習。

ドビュッシーBeau soir
今回も全体の声のピッチと声質の太さの関係について。
細く高くではなく、太くゆったりと感じられる声。
音程跳躍で声を無意識に切り替えないように。

C’estl’extase langoureuse
これは出だしの声の脱力感が、表現に関係すること。
ただ単に小さな声を意識するより、脱力した感じの声の表現が意図するもの。
途中のCela ressemble au bruit doux que l’herbe agitee expire のフレーズは、最初のQueから小さく。
クレッシェンドの幅を狭く。
Cette ame qui se lamenteの5点Dが上ずる点を注意。
全体に鼻母音のNがまだ付くので、付かないように注意を。

音楽的にはピアノ伴奏がどれだけ表現してくれるか?がアンサンブルを決めることになるということを話した。