KT
前回と同様に発声練習では、母音発声を一通り行った後、口を開けたハミングで中低音のスケール発声を行い、
ハミング状態から舌を外して一瞬にして母音変換する練習をした。
人に依るが、彼の声であれば太さが必用なので口を縦に良く開けた状態で行うことが大事であった。
またこの方法で母音に変換してから高音に上がって行くと口が無意識に閉じて行く癖がある点に注意をした。
このハミングの母音変換の意味は、軟口蓋というよりも舌根を引き上げることに意味があるだろう。
つまり喉頭を引き上げる働きを、下あごを下げる働きに対する反作用として良く機能させる意味がある。
このことで最適な声帯の緊張状態を作るということ。
あたかも、良いテンションで張られた弦の状態に似ていると言えるだろう。
コンコーネOP9の16番。
ほぼ問題なく歌い通せた。一部だけリズムの間違いを修正してすぐに上がりに出来た。
発声で練習したことが声に活かせて、明るいバリトンらしい声が聴けたことが良かった。
私が歌って聞かせると、即座に同じような声を出したことに驚き。
意外と真似が上手いことが、上達の秘訣かと思える発見であった。
次のイタリア古典歌曲集のO del mio dolce ardorでも良い声で歌えた。
これはリズムのちょっとした勘違いを修正。
コンコーネもこの曲も、4分音符を2つに割って8分音符で拍節を意識することで、彼のリズムの課題が克服できるようであった。
今後も復習する時には、この音符を細かく割って認識する方法を覚えておくと良いだろう。
全体に声が良くなって来たことが評価できた。