KT

発声練習は母音発声中心で20分近く行ったのだが、結局最後の最後にハミングの練習となった。
それは中低音域でピッチが低くこもった声になることを矯正するためであった。
ハミングだけで練習すると弱い声になりがちなので注意が必要なのだが、バランスということと声の艶やピッチを考えた場合、やはりハミングの練習は必須であると感じた。
あと、高音発声はなるべく前に吐き出すように開放的に歌うことを指摘した。

コンコーネ17番。
声は良い傾向で歌えている。
修正したのはリズムの間違いだったが、以前より理解度は進んで実行力も上がったと感じた。
それは、片手で拍を叩きながらメロディを歌うことが出来るようになったことにある。
これは大きな進歩である。
これが出来ことによって、譜読みの精度が飛躍的に上がるからである。

イタリア古典歌曲集
O del mio dolce ardor
こちらも修正したのはリズム。
あとは再現部に入るところの半音階の音程の間違いを修正。
これも長い音符のリズムを間違えないように注意を。

Per la gloria d’adorarvi
前回と同じで、フレーズを滑らかに、なるべく声量を均一に歌えるように。
つまり低音ほど声が前に出ないから、低音域をしっかり響かせるようにすることと、高音に跳躍する時に飛び出してしまうのを抑制すること。
そうやって、フレーズ全体をなだらかにして、滑らかな声量で歌えることを目標にした。

MFとFの違いもP以上に意味があるだろう。
つまり冒頭のMFは、ほどほどの声量であり、声量を頑張るより滑らかに歌うことが大事である、と指導した。

全体に発声が良くなってきたので、譜読みのリズムを更に正確に捉えることが身に着けば進歩は速いと思われる。