SKMM

今日のレッスンは、彼女自身の発表会の反省の弁から始まった。
本人の積極的な分析であった。

私の感想としては、ごくありふれた歌詞の落としであり、誰でもある通過儀礼という感想だったのだが。。。

プロの有名なプレイヤーでもやらかすことはある程度と思うのだが、恐らくこれまでのプライベートステージでの同じ失敗はなかったのだろう。
慣れないイタリア語という外国語の歌であることと、これもプライベート活動の歌声と違う声楽発声ということを理由にしていたと思う。

今これを書きながら思ったこととして、声楽発声が進歩して本人の欲が出て来たのではないか?
恐らく本番になって、もっと出来るだろう、もっとこうしようという欲が無意識下にあったのではないか?
その欲が裏目に出たのではないか?と。

今日のレッスン前の談議で話したことは、発声のことは本番で考えない方が良いということ。
集中するのは、音楽を聴衆に届けるという一念だけが大切であろう

そのための暗譜である。

今後の私からの提案として、今回のことが彼女固有の因子に依ると仮定して、それがプライベートの本番の歌い方の中にある演劇性とこちらでの声楽発声の祖語であるならば、
日本語の歌を歌ってみてはどうか?ということである。

それで歌い方がプライベートの歌唱と同じになってしまうのか?あるいは声楽的な声の扱いがそこに自然に出れば儲けものでと良いということ。
訓練を重ねたことは、意識しなくても必ず結果に顕れるのである。

今日の実質的なレッスンは、発声練習とコンコーネの28番と29番。
発声の声は、本当に中低音域に見られた固有の癖がなくなり高音への換声点もすぐにファルセットにならない声になっていた。
良い傾向である。

コンコーネの方は、音程の間違いがメインの課題となった。
間違い易い音程とか取りにくい音程については、古典的な音楽なので移動ドによる階名唱法を少し試してみた。
ドレミファソラシドという階名と音程の関係が身につくことで、どの調性であっても音程関係を把握しやすいことに大きなメリットがあること。
ただし移動ドについては知識は必要ということ。

これらのシンプルな練習に、コールユーブンゲンを使ってみる価値はあるだろう。

日本歌曲の全集の楽譜2巻を教えたが、歌いたいと思えないとか好き嫌いがある場合は、また別の方法を考えても良いだろう。
武満徹とか、林光なども、よりPopでありながら声楽として歌える作品は多い。
また、Jpopでも声楽の発声を学んで歌える曲はたくさんあるのであって、単にやる人がいないだけなのである。