MMH

発声練習では、5点E♭辺りから始まるチェンジを意識することを伝えた。
上に抜かないで、むしろ下に潜らせる感じで声をアタックする。
このことによって、声がファルセット気味にならないので音程感も上ずらない。
このチェンジの通過点だけは、少し違和感があるかもしれないが、その前の発声練習で出来ていたように、5点Gに抜ければ
良いミックスが自然に出来ると思う。

コンコーネは42番を練習。
譜読みとしての問題点はなかった。
時折、5点D~Eあたりで音程が上ずるのは、発声練習でもやったチェンジの問題と関係がありそう。

ドナウディのFreschi luoghi prati aurenti
子音発語と母音発声の関係の深さについて指摘。
具体的には、下あごを降ろすようにして発声せずに、舌の弾力を利用した子音発語の方法を利用することで母音発声を得るやり方、と言えば良いだろうか。
特に瞬間的に跳躍する音程などでは、このやり方が発声に要する時間を瞬時に処理できることで、結果的にレガートな歌い方になることと、歌詞発音が明瞭になるということ。
また高音の張った声のときには、あらかじめ下あごを降ろすようにして喉奥を拡げる発声を用意すべきだろう。

ドビュッシー「星の夜」
声の共鳴問題で、彼女の場合は下あごから喉にかけての部分で共鳴させる感じの発声をする傾向が見られる。
そこを上あごから上に母音の響きのポイントを感じるように、ということで練習。
下あごを動かさないようにするため、指をくわえて練習。
彼女のようなタイプは、口を縦に開けないで口角を少し横にする微笑みの顔で歌う方が良いだろう。

ドナウディにしてもドビュッシーにしても、全体に声量を張り気味になるので、これも一考の要有り。
恐らく息をより使う傾向なのだろう、と思う。

En sourdine
冒頭のフレーズの低音域の発声のピッチを高くするため、鼻根に声を集めるように歌うこと。
もちろん、そのためには下あごの動きを抑制する必要はあるだろう。
指をくわえて練習をしてみた。

Romance
こちら、頭声発声そのものは良いと思う。歌詞発音の明解化と最高音域の声のためにも、子音発語と母音との関係を指摘した。
声量を出す際には、下あごはあらかじめ降ろすように発声した方が良いだろう。