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発声練習はファルセットを中心にして、高音発声の練習となった。
大事にしたのは、3点C~4点Gにかけて。
彼の場合は、喉の力を抜くことは出来ているが、完全なファルセットにはなっていない。
私が言うファルセットは、カウンターテナー的な音楽性のあるファルセット。
つまり声帯が呼気と関連して、共鳴した響きを出せるファルセットということである。

トスティのソルフェッヂは6番。
やや譜読みに不安定感があったが、2回ほど通して良くなった。
跳躍する音程で、高い声を少し抜き気味にした方が、現状の発声としては彼には相応しいであろう。

今回の発声のファルセットの会得は、非常に感覚的で根気よく訓練する必要がある。
ただ、本当に良い声を目指すならこの発声は覚えておいて損はないと思う。

そのような練習を、イタリア古典のDimme amorで行った。
特に課題としたのは、喉は虚脱させるが、唇を上手く使って、前述の共振を呼び起こせるかどうか?
という点であった。

これは未達成であるが、この曲の最高音の4点Fでファルセットからクレッシェンドする方法を教えた。
ファルセット方実声に変わる瞬間が捉えられば判りやすいのだが、これは判らなかった。
ただ、喉そのものに一気に声を当てる方法をやってみたところ、意外な程良いポイントで出せた。
これが今日の収穫であろう。

落葉松はほぼ良い出来であったので、一応上がりにした。
今日は特に前半の弱声で息を交えた声が上手く使えていたため、強声の効果がとてもよく出せたと思う。
高音も今までより良い声になっていた。