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発声練習はいつも通りに軽い声で一通り流してから、同度によるIEAOUの練習をした。
やって見ると判るのだが、IEからAに移行すると、とたんに喉が上がって声帯が開いてしまう。
Aに移行する前にEを発声しながら舌に集中すると、声帯が開かないでAに移行できる感覚が判ると思う。
なぜなら、E母音は舌が盛り上がっていて声帯を閉じる傾向があるからである。
それが、Aになると舌が落ちることで声帯の緊張が解けて声帯が緩んで開くのだと思われる。
これは高音になればなるほど、その傾向が顕著だからこの舌とか喉の感覚に集中することが大切である。
トスティのソルフェッヂの11番は、今まで通りに軽い声で、しかし強弱はしっかり意識して歌ってもらった。
これは良く出来たと思う。声域が広くないせいでもある。
実際の歌においては、今回は軽い声を意識せずに自由に歌ってもらった。
軽い声で歌うことを体感継続することで、発声の感覚の幅を広く体得してもらうことで、歌う喉の柔軟性が身に着くと考えたからである。
イタリア古典歌曲集のDimmi amor
一通り通してみて、やはり苦手な高音発声について改めての解説と実行。
前述の発声練習の応用編になるが、一番効果があり本人の自覚があったのが、ブレスから歌い出す際のお腹の使いかたである。
喉を上げないように、あるいは開くようにと言うことは意識したようだが、前腹の上腹部を意識的に強く引っ込めるようにして高音発声を対処していたようであった。
これは、喉に呼気の強い衝撃を与えるため、高音の換声点では声帯が開いてしまうだろう。
そのため、特にA母音などは声がスカスカになり、喉が上がってしまうのだと思った。
この対処法として、お腹を動かさないでしっかりとその状態を保つこと、その分を喉や舌の状態に意識を向けることである。
落葉松と初恋、の日本歌曲2曲とも良く歌えており、この状態を維持して行ければ良いだろう。