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ロッシーニ「約束」

これまで教えて来た基本的なこの曲を歌う声については良くなった。
ただ音楽的にこの曲の持つ可能性が感じられないので、いろいろ提案した。

音楽全体を考えて、この歌を歌っている主人公のイメージを考えてみる。
それはどちらかといつ庶民階級の女性で、少しはすっぱで気がきついところがある。
典型的なイタリア人女性がこの詩を歌っている、と仮想してみる。

イタリア人がピアーノで喋ると、どんな声か?
日本人のようにぼそぼそひそひそではなく、良く響く声がふつうであろう。

その上で音楽の変化をしっかり感じる。
特に伴奏形が変わってから、どのようなテンポ感で歌うか?

こうして、良く歌われているこの作品の音楽を再構築してみると、あらためておもしろさが良く判るであろう。

チレアの「アドリアーナ・ルクヴルール」から「哀れな花よ」

音域的には広くないが、演劇性の濃い歌である点が難しい。
また、オクターブの跳躍がモチーフにあるが、この跳躍は高音側が飛び出さないように滑らかに歌うべき。
後は、やはり声の強弱をどう表現するか?という点が課題である。

ベッリーニ「夢遊病の女」から「ああ、信じられない」

これは素晴らしく良く歌えていた。
特に後半の換声点前のメッザヴォーチェの声が良く出来ていて美しかった。
カデンツのメリスマの最後の歌詞d’amorは、一息で歌って終わるべきだろう。

シューマン「月夜」

弱声でも声の響きはしっかり確保した声を大切に。
後半のサビの部分も、しっかりドラマティックに歌うべきであろう。
全体には音程感も声質も充分な歌声で、とても良く歌えている。