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発声練習
新年最初の今回では、少し念入りに行った。
Iで始めたが、ドレミの3度スケールで。
I母音の時(他の母音でも)唇をもう少し立てる(突き出す)という発声方法は覚えておくべき。
声に共鳴効果が出やすいし、IやUなどの狭母音でも喉を締めない効果がある。
音程幅の広いアルペジオや5度以上のスケールになると、特に高音側で喉を押した声になりやすい。
息の力だけで、つまり腹筋を使って呼気で声を飛ばそうとするためだろう。
これが非音楽的な響きになりやすい。
音程の移動と声の関係は呼気を良く使う意識ではなく、喉奥の広さとか喉周辺の筋肉を使うイメージ。
そして、そのためには腹部の筋肉の使い方に、ある程度の固定性を持たすべきである。
つまり積極的に腹壁を押し込んで歌うのではなく、むしろ息を止めているような感覚である。
トスティSolfeggi29番
リズム感は良く理解出来ていた。
フレーズでの音程跳躍で、高音側を息で飛ばさないように。
つまり滑らかにフレーズを歌うことを中心に練習。
音程感の問題として、移動ド階名唱法のメリットを話した。
時間があれば試してみると良いが、身に付くのは年季が要る。
イタリア古典歌曲集「ガンジスに陽は昇る」
良く歌えるようになったが、高音が息を使い過ぎるためか?響きが散ってしまう傾向。
トスティの練習曲でもやったように、息で歌うのではなく喉で歌う感覚。
この意味は悪い意味ではなく良い意味である。
上手く行くと滑らかに歌えるようになる。
磯部俶「遥かな友に」
アウフタクト(裏拍)で歌い出す部分、音域は低いが響きを充分出して歌い出す事が大事である。
また単純に声の歌い出しの響きは大事ということ。
ここでも音程跳躍時の高音側の声が飛び出さないように。
息の使い方に留意すること。
特に最後のPPで歌う高音は充分に注意して。
中田喜直「夏の思い出」
フレーズを歌う時、音符の強拍弱拍の違いに無意識に依存しないで平たんに滑らかに歌うことで、この作品の美しさが表出する。
つまり、ここでも跳躍時の高音側の声に抑制を意識すること。
そのために息で押さないようにすること。