MO
発声練習
中低音域は、音程と声量のバランスの良さが自然に出るようになって来た。
今回は、高音発声への換声点辺りで顎の使いかたを指摘。
換声点に近づくと、喉が上がる状態になる。
大事なことは、この「喉が上がる」状態を早く感知すること。
感知できないことには対処が出来ないからである。
微妙に喉の上がりが感じ出したら、該当音を発声する前に下あごを降ろしていく。
これもタイミングであって、必要のない状態から早すぎる降ろしは良くない。
だが、声が出てからやっても、降ろした意味がないからである。
自然に下あごを声の調子に合わせて動かせるよう、常に喉の感覚を磨いてほしい。
トスティのソルフェッヂ31番
先ず換声点前の4点D♭で喉が上がることを修正。
後はRitの指示を守って良く表現すること。
中間部はMossoの指示で、少しテンポ感を速く意識して。
2ページ目最後の2小節からクレッシェンドの<マークがある。
それに対し、3ページ目の頭に文字でcrescendoとある意味は?
ページが変わって再び<を入れると、その前で声を一旦小さくしないように。
という解釈と、単にページが変わるために、校訂者がわざわざ入れた可能性もあるだろう。
いずれにしても、連続してクレッシェンドすることを意味していると思われる。
イタリア古典歌曲集「ガンジスに陽は昇る」
全体にとても良く歌えていて、特に注意すべき点は感じられない。
強いて言えば、高音の4点Fが響きが抜け勝ちな点を練習した。
このフレーズの形の場合は、下あごを降ろしすぎない方が良さそう。
というのは、その前の音で喉を上げていないという条件があればのことである。
Gia’il~Soleとなる場合、Ilの発声で喉を締めたり上げないで発声出来ているか?の方が重要。
磯部俶「遥かな友に」
アウフタクト(弱拍)で始まるメロディの歌い方。
リズムの見方を悪い意味で字義通りまじめに取ると、歌い出しが弱くなる。
弱くなると印象が弱くなるため、言葉で言えば聞き取れない部分となる。
アウフタクトが弱拍であることは、むしろ明快にはっきりと歌い出すことが大事。
他の楽譜中の同じ出だしも、全く同じである。
あとは前回と同様に、高音に跳躍する時に飛び出ないように。
静かな音型であるから、フレーズも滑らかにソフトに。
ただし、声は良く響かせる意識を以て。
中田喜直「夏の思い出」
音楽がどちらかというと女性的な雰囲気がある。
このため、男性が歌う場合意識的に男性的な歌い方をする方が自然である。
もちろん個別なキャラクターの違いがあるので、絶対ではないが。。
彼の声の場合は、堂々たるバリトンの声であるから、その声を意識して歌うこと。
そのためには、テンポを急がずにどっしりと朗々としたイメージで歌うと良い。