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発声練習
バランスの良い声が出来つつある。
今回は、皆に推奨している「あくび唱法」を指導した。
彼の発声は、重心を下げようとすることに偏りやすい点を注意。
ピッチの問題と低い重心は、相反する問題なので、そのバランスは常に注意が必要である。
とくに彼の場合は、本質的に低音系になりやすい喉であるから。
トスティのソルフェッヂ34番
譜読みは良く出来ていた。
歌声も、今日の発声の成果が出ていた。
特に高音の4点Eは、明らかに良い声に成長したと感じられるようになった。
イタリア古典歌曲集からO del mio dolce ardor
難しいリズム感はほぼ習得出来ているようであった。
4点Fの最高音の声を調整。
これは該当音の前で口の開け方を変えながら、該当音で既に決まっているように。
ここは発音のEの明快さよりも、良い高音の声かどうか?が問われるところ。
前に出しすぎて、叫び声にならないように、口は良く開けるが唇で上下の歯を覆うような開け方を重視して。
このことで、声が前に飛び出して生の叫び声にならないようにする。
あとは、修飾音符の扱い方や、楽譜に書いていない間合いの必要な箇所を覚えてもらった。
山田耕作「砂山」
この曲は音域が広いわけでもなく、バリトンの中低音が良く行かされる作風である。
シンプルな民謡風なスタイルなので、言葉の持つイメージ、その重さ、雰囲気を良く出すように。
それは歌うテンポの持ち方や、声の強弱の使いかたで変わって来る。
歌詞を良く読み込んで、その内容は背景、風景など、良く想像してみること。
そのことで、単純なメロディの繰り返しにも、変化が自ずと表せることに着目してほしい。