KMC

発声練習

息を入れるイメージを指導。
下腹部から息が入り頭部まで充満してから声を出すという感覚的な方法。
下降形5度で始めたので、次を上行アルペジオにした。
彼女は口を閉じて鼻で吸うスタイルだが、この際にインターバルで口を開けたまま腹筋で入れるスタイルを指導した。
このスタイルの方が喉が開いたまま、つまり前のフレーズの喉の状態を変えないで次のフレーズに用意できるからである。

コンコーネ25から2番

リズムと高音の換声点をテーマに。
リズムは、16分休符と16分音符の組み合わせの歌い方。
跳ねが足りないのはその前の8分音符の伸びが足りないため。

マルカートはしっかり強調するフレーズに反して、Dolceと指示してあるフレーズは滑らかに。
下降形のフレーズで要注意は、5点Eなど中高音辺りから4点h以下に下降するケース。
声が変わるため、ピッチが悪く鳴りやすい。
高音側の声を変えないように。

換声点になる5点E~Fに跳躍すると、この音程感と響きがあいまりになりやすい。
そのため、スタッカートによる練習で、高音をきちっと音程良く当てる練習をした。

イタリア古典歌曲集からPer la gloria d’adorarvi

発音と発声、というテーマ。
発音ではE母音の響き。
日本語の浅い響きのエにならないように、A母音を応用してEにすること。
つまり口はほぼAの口のまま、舌を少しだけ盛り上げてEにする。
声楽の場合は、母音の響きの違いを無意識に出さないで、むしろ母音の同一性を目指した方が良い。
これについては、いろいろな練習方法があるので、次回試したい。

発声としては、喉が浅くならないように。
和音内の低音側の主音の声と響きを基準に歌い出すように。
この曲では4点Fである。

ベッリーニの歌曲からVaga lune che inargenti

子音のGが鼻濁音に聞こえやすいので注意を。
鼻濁音ではなく濁音である。
声の基本的なフォームとして、和音内の低音側の

以上歌の2曲でテーマとした声のフォームの意味は、いわば楽器を鳴らす基準と考えると良い。
ギターの弦をきちっとつま弾くことや、ヴァイオリンの弦を弓できちっと擦るという作業に相応する。
このフォームが決まると、中低音~中高音まで声が安定して良く響き、子供っぽい声が成熟した女性の魅力的な声に変身する。
これは、ソプラノかメゾか?レッジェロかリリコか?というような声域やキャラクターの問題ではない。
発声上のもっとも基礎的な課題であることを理解してほしい。