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発声練習

課題は、ブレス時から喉を拡げるようにすること。
そして、その拡げた場所から声を出し始めること。
Jaという半母音で始める場合、Ja=I+Aであるように。
Jaをやる意味は、Iで声帯が良く合うことと円唇化という条件の上で、喉が低くなりやすいこと。
バリトンらしい中低音の声として、相応しい練習方法である。

コンコーネOP9より25番

譜読みの間違いを修正しつつ、数回通してみて、半音程の声の表現の正確さと複付点の正確さを求めた。
コンコーネならではの勉強課題と思えるから。

フォーレ「5月」

全体に音楽が良く感じられる歌声になったことと、発音も概ね間違いはない。
そのため、更にフランス語らしい発音を求めた。

大事なのはフランス語固有のEのあいまい母音において、声の共鳴感を忘れないように。
そのための口の開け具合は大事。

また、鼻母音は短い音符でも意識して大切に扱ってほしいこと。
Nを付けないように注意が欲しい。

そして、中高音~高音で、狭母音を狭母音として発音・発声する方法。
高音域は、思い切りの良い声で清々しいが、慣れてきたと思われるので、狭い母音として口を開けないこと。
口を開けないが、喉は開いているという具合。
これは顎そのものよりも唇を使うことで表現出来ることが多い。

フォーレ「漁夫の唄」

こちらは、中高音辺りからのフレーズで喉が浅くなり腹の付かない声になりがちだった。
常にブレスでは気道を拡げるようにすること。
また高音に昇ろうとする際に、気道を拡げるように意識すること。
これは。高音に行こうとすると喉が高くなる本能をコントロールする意味があるため。
低音から高音まで、なるべく喉のポジションが一定であることを意識すること。
実際は多少上がるが、そこまでシビアになる必要はない。
あとは、発音については「5月」と同様に開母音と狭母音の違い、特に狭母音を工夫してほしい。

木下牧子「海と涙と私と」

ここでも中高音域、喉が上がりやすい音域で狭母音が開母音になってしまうことになった。
この理由は口を開ける方が(下あごを下げる)喉が上がりにくいからである。
しかし、そうなると発音が不明瞭になり、歌詞が良く分からない歌になる。

喉が上がる理由として、もう一点は声量の出しすぎもある。
今回はこのことを実行しただけで、歌詞がかなり明瞭になった。