MMH

発声練習

口を開けずにそーっと歌う感じ。
少し顎を自由に動かして、と指示した。
そのことによるメリットは、喉が開いて声の響きに共鳴が突くこと。
つまり同じ労力で良く響く声になる。
特に彼女は中低域が自然に出るタイプなので、合唱アルトとしては効果的ではないか?

パノフカ18番

気を付けるべきは中低音域の発声において、いわゆる天井は高く意識すること。
つまり下あごは舌根に力みを入れない範囲で、上顎の奥を高く意識すること。
ブレス時に軽くあくびをした状態で、このことが確立できると、冒頭の16分音符の細かい音程感がクリアになる。

武満徹「めぐり逢い」

歌として特に問題点を感じないのだが、インパクトの弱い演奏になってしまう。
何か内面的で良いので、歌詞をしっかり訴えようとする強い心を持って歌うように、と指示。
つまりメロディはどこかノスタルジックで甘い感じがあるために、歌詞を歌う心がメロディに依存してしまうこと。
これが、音楽を悪い意味で弱くしてしまう。
これは、決して強い声でと言う意味ではない。

中田喜直「木の匙」から「これから生まれてくるこのために」

冒頭の主題「小さなゆりかご~」から前半終わりまで、声は適度な緊張を保ってテヌート気味に歌うと表現に適う。
中間部「やがて生まれてくる我が子」からは緊張を解いて柔らかく明るく楽し気に歌う。
後半の再現部はPP指定だから、必然的に表現が決まる。

ドビュッシー「ビリティスの3つの唄」から「パンの笛」

最初の通しでは、テンポ感が速く表現がついて来ない感じを受けた。
どうも伴奏形が変化してから、速く語ろうとする面があったようだ。
フランス語を明快にして、聴衆に対し歌詞の内容を諭すつもりで歌うと良いだろう。
またブレスポイントを明快にすることも、リズムやテンポを決めることに役立つ。