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発声練習

低音の場合、最初の声の出し始めで響きを出すこと。
一瞬出れば、後は息の流れが事前に音程を導き出す、という感覚。
これは、例えば弦楽器に譬えると判りやすいだろう。
一番太い弦を擦るときに、どうすれば響くか?ということと似ている。
一度弦を擦ることで響きが出れば、あとは力まない弓のボーイングとフレットの指の動きで滑らかな音程がメロディを奏でる、という具合である。

換声点の発声

彼のばあいは恐らく4点Dで既に準備しておくべきである。
呼気を強く出すのではなく、むしろ呼気を押さえて声を出すポイントの場所を意識すること。
ポイントは喉仏の下あたりを目標にすると良い。

トスティのソルフェッヂ 46番

譜読みを終わったばかりという感じで、心もとない歌声になっていた。
練習を難しいが、しっかり声を響かせる譜読みの深度を求めたい。
強いて難しい点を挙げれば、換声の技術であろう。
4点Dは、すでに換声を意識した発声を。

イタリア古典歌曲集からO del mio dolce ardor

継続的に高音の発声を課題としている。
徐々に勘所を掴みつつあるのだが、どうしても喉を上げる傾向が残る。
呼気を強めない事。
そのためには腹筋をしっかりさせて、息を止めた状態で声帯に当てる感覚。
声は詰まってくぐもる感じであるが、それで音程が出れば、それが良い。
あと、半音でも音程が高くなるのであれば、下あごも更に降ろすと良い。
何度も言うが、息で押すのではない事。
慣れるのに時間がかかるが、慣れるまで根気よく続けること。

トスティ「魅惑」

男性的で情熱的に歌う必要はあるが、それがために乱暴にならないように。
滑らかに丁寧に歌うことは、必須である。
またPやPPなどの弱声への変化も大切に歌ってほしい。

滝廉太郎=山田耕作編曲「秋の月」

全体に良く歌えている。
改めて、良い声が大事であること。
特にAの開母音は、良い声を意識してほしい。
そして同時に歌詞も明快に。
このためには、単母音を繋げるのではなく、メロディを繋げる意識で母音を柔らかく変化させるように歌うこと。
能の謡曲の歌い方を参考に。