TNT
発声練習
軽く声馴らし程度で始めた。
いつもの調子で大きくない声で、上行5度アルペジオとスケールで練習をした。
コンコーネOP9から32番
下降形の細かい動き、16分音符や3連符のフレーズにおける音程が不正確になりがち。
この点の修整が主であった。
あとはリズムの数え間違いくらいであった。
シューベルト「野薔薇」「菩提樹」
両曲ともドイツ語の細かな発音の修整を勉強した。
あとは主には声質について。
つまり発声において、下あごを柔軟に降ろすことで口腔内の体積を増やして共鳴を呼び込むように。
ドイツ語の語感と関係する声、特に彼の場合はバリトンである。
バリトンらしい適度に深みと柔らかさのある声を考えた。
これまでピッチをうるさくいってきたせいか?彼はピッチを中心に顔の上で歌う感覚になっている。
それは、つまり下あごを関与させない発声になっていること。
このピッチの良さ正確さを維持しつつ、声の共鳴を誘うために下あごをゆったりと降ろした発音と発声にするのである。
武満徹「歌うだけ」
歌詞「むずかしいことなど要らないの~悲しいときは歌うだけ~」という歌詞にJazz風のバックビートが効いた音楽。
当然、歌声は声楽家的な発声を追うのではなく、歌詞と音楽によって描かれている世界を表現すべき、と話した。
具体的には歌詞の語りを直接に表現するということに尽きる。