アトリエムジカC2003年11月30日





















すずきさん

シューマンの「詩人の恋」から4曲。
全体に素晴らしい演奏だった。
声は、大分ポジションが落ち着いていたが、中音の当て方において、やや不安定な面が耳についた。
後は、中音部のやや鼻にかかった声質が改善出来れば言う事はない。

それよりも、やはり歌は歌うものの望むこと、何を歌いたいか?素朴な歌を求める心だな、ということが、彼の演奏がSympathiqueだった最大の原因だろう。そして、福間さんのピアノの美質は、この4曲目の後奏のタッチと音色に集約されていた。何度聴いても、惚れ惚れする美しい音楽である。わずかの小節の和音の繰り返しなのに、これほど雄弁なこれほど詩的な時間があるだろうか?この詩人の心情の深さがすべて表れている気がした。

3曲目の早口言葉も安定して、落ち着いて良く処理出来ていた。
1曲目が最初の盛り上がりでブレスが入って途切れたのが惜しかったな1
2曲目は表現力が抜群だった。4曲目の出だしがやや弱く、はっきりしなかったのが、残念といえば残念。この曲、出だしはもう少し公明正大に言った方が良いと思うがどうだろう?違う事を意図していたならば、その意図をもっと明快に出してほしかった。

ともあれ、ぜひともこの曲の完成を目指してほしい!
おつかれさま、そしてオメデトウ!
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