2002年3月後半レッスンノート

レッスンノート目次
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3月31日

年度末で、とうとう明日から4月。組織の仕事もしているので、3月の終わりもなかなか感慨深いものがある。まさか、こんなにレッスンするようになるとも思っていなかった。けれど、これがおれの仕事だな、、、という感慨も深くなってきた。ピアノに座ると、ここが仕事場だと思うようになった。所を得ることは良いことだと思う。
今日はよしおかさん。日曜日のよしおかさん。発声にあたって、今日は徹底して声の共鳴ということをテーマにしようと思った。彼女は元々声が出るタイプではない。むしろ彼女みたいなタイプは声を出すことを、一つの楽器の操縦術という側面で捉えていく方が伸びるのではないか。。と思ったからだ。

このところ、みなに教えているやりかたとして、声の共鳴ということがある。ビール瓶の縁に口を寄せてフッと一吹きすると、ビ〜ンと瓶が共鳴して、思わぬ響きが出るだろう。まあ、ああいうイメージで声を共鳴させて少ないエネルギーで声を効率よく響かせるやりかただ。クラシックの声楽では、これはとても大切である。
声に共鳴を持たせるためには、口の開き方と喉頭の調節が大切である。昨日も書いたけど、麺を2−3本すするような口にする。要するにおちょぼ口とも言う。この形で、低い方から発声を始めた。これの良さは喉の位置が安定すること。それでも、彼女の場合2点C#くらいから喉が上がろうとしてくる。ここで始めて下あごをやや下げるようにする。あごを下げることで喉頭が適度に下がるからだ。口の開きは唇の誘導によっても行われる。下唇をめくるようにうごかしてやることで、自然に下あごが下がる。関節から動かそうとするからあご関節に力が余計にはいってしまう。このあたりは練習と慣れが必要だ。ドミソ〜と上がる場合は、上にいくに従い、微妙にあごを開いていくと、喉頭が一定になって喉が開き響きも安定する。しかし、声の出し始めで共鳴ポイントをつかんでいないと、良い響きは選られない。最初の声がいかに大切か。
このちょぼ口で、オの母音で良い共鳴をつかんだら、そこからアの母音、そしてエ、イ、ウの母音を作っていく。彼女の場合、2点C#では、エの母音が一番共鳴が強かった。これは、個人差だろう。逆に言えば、彼女はこの音域でエの母音が共鳴するわけだから、それを基に他の母音を合わせていけば良い。

曲は、Star vicinoで練習。今日の共鳴の確認を徹底した。最小単位のフレーズから少しずつ伸ばしていった。最初は母音だけで確認し、次に言葉を付けていく。以前の喉っぽい音程のフラットな響きから大分解放されてきたが、まだ、声の出始めて共鳴が出ないことが多い。最初の声できちっと共鳴を付けられるようになることと、高音のイの母音を気をつければ、飛躍的に良い響きでこの曲を歌えるようになるだろう。
一度やったこととは、関係無く一度やった曲であればこそ、響きを徹底的に良くして、再挑戦したい。

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3月30日

こぬまさん。声の暖まりが比較的ゆっくりのこぬまさん。しばらく調子を見てからもう一度始める。彼女の場合声の技術、としてだけ見れば難しいことはほとんどない、とぼくの目には思えるのだが、本人には難しいというところが、彼女の難しさだ。今は口の開け方使い方一つで声の共鳴が変るということが、一番大きい効果があると思う。これは中低音部の話。麺を2〜3本口で吸い込むような形の口といえば良いだろうか。。。これが彼女に良いのは、下あごが適度に下がって、喉頭の位置が丁度良い位置にに決まるということ、それから、そのために声帯の合わさり具合も丁度良くなるという感じ。この声を基準点にして、他の母音を作ってほしい。アは、上唇を少し上げる程度で良いくらい。これらによって出来た響きはとても良い。声帯が合わさり過ぎずかつ、喉頭の位置も適度に下がっている。声を前に当てたり、明るい母音を作るのは、これがきちっと出来てから後に工夫すると思ってほしい。とにかく、このやりかたで中低音部の声のポジションを確立してほしいのだ。コンコーネを3曲ばかりやってみたが、基本的な声質、声のポジションはとても良くなった。ただ、階名唱法でやると、発音 が出てくるので口の使い方が問題になってくる。たとえば、低音部のファという発音。下あごで開いてしまうために、息漏れが出て、スカ〜っとなってしまうのは、本人にも分かるところだろう。そういう所は随所にあるのだが、その際にあごを下げずに、響きが逃げないように息漏れが出ないようにする工夫が大切。低音などもとても良く響くようになった。落葉松も、全体に中低音が安定してきた。今日やった声の響き、声質、ポジションを忘れないでほしい。これさえ確立できれば、後は枝葉末節とまで行かなくても、難しいことはない、と思う。

なかがわさん。彼女も麺をすする口で発声を始める。ミから始めたが、音程が上ずる。チェンジした声の場合、誰しもが最低音は出しにくいが、彼女の場合それが甚だしい。鳴らそうとしなくて良いから、声のポジションが上がらないように、重心を低くすること。また、前回もやったように、中低音の声の場合、地面に向けて軽く押さえるように声を出すと、丁度良く響く感じがある。後は、麺すすりの口だ。これはどの母音でも有効だが、要するに頬をへこませるように、えくぼか少し出来るように口を縦に開けることに意を注ぐこと。そして、唇。特に下唇を下にめくるような感じで使うと、良くなる。彼女は口を使おうとすると、下あごがやや前に出て唇が中に入ってしまう傾向があるが、これは声がこもって良くない。唇のめくれも大事だから、覚えてほしい。大分なれてきたから、この声のポジション、響かせ方ももう少しだ。後は母音や音程の上がり下がり時に声質がすぐに浅くなってしまうことがあるから、気をつけてほしい。曲はヘンデルから。
最初のレシタティーヴォのArmida..の声も唇の使い方。一音上がる際に音質が変らないように、、という感じで細かく見た。これだけで、相当時間を費やしたが、それだけやる価値があるくらい、声質が大切ということを知ってもらうだけでも良い。モーツアルトのCosi fan tutteのドラヴェッラのアリアになると、音域がやや高くなる。今度は声質が全体にこもって、胴間声になっている。発声練習の声の低いポジションの練習のせいだろう。下あごを母音発音の際にパカパカと動かすせいで、響きが落っこちてしまっている。今度は下あごは動かさないで、上顎というか、頭部に響きを持っていくようにすること。声のポジションの基本練習と応用の違いといえば良いだろうか。声のポジションは声のオリジナルの問題で、言葉の発音に準拠する声質は響きがくれぐれも落っこちないようにしなければならない。そのために、下あごを下げずに発音する練習が必要になってくる。次回は、そのあたりも詳しくやってみよう。

あめくさん。発声をし始めてやはり、どうも気になったのが、下あごがやや前に出て声質が太すぎるというか暗い感じになっていることだった。下あごをやや前目にして、喉で喉頭を下げているのではないか、と思った。そこで、姿勢を直した。首をまっすぐに、あごを引いて姿勢の力だけでなるべく自然に喉頭の位置を決めることを大事にした。それだけで、響きは明るくなるし、声のポジションは良くなる。後は、今日の二人と同じく唇の使い方である。彼女の場合も唇のめくれと、頬の緊張感である。やはり、えくぼがやや出来るくらいに口を縦に開けることを意識してほしい。それから、上向形の発声で練習して効果的だったのは、上に行くほど口を開くことだった。上に行くほど、喉頭が上がろうとするので、響きがうすく細くなりがちだ。それを避けるために口を縦に開いていくことが大事になる。口を縦に開けば喉頭が自然に下がって、喉が開くからだ。
これととても大切なことだから忘れないでほしい。2点Gまできれいにしっかりとした声が出せた。
曲は、グルックのオルフェのアリア。きょうの練習では、徹底して発音と声の関係をやった。彼女も下あごが動き過ぎるために響きがやや落ち気味になる。それを避けるためには、下あごを動かさずに発音、発声することが大事だ。これも兼ね合いだけど、その前に響きが頭部あるいは上に乗っている感覚があるだろうか?これが分かれば、自然にこういう口の使い方になるのだが。中川さんと同じく、声のポジション、喉の使い方の問題と、この発音時の口の使い方は、別に考えてほしい。これがごちゃごちゃになると、声を頭部に集めるために声のポジションが今度は上がってしまったりする。声の出すポイントといえば良いだろうか?いや、喉頭の位置といっても良いだろう。これがきちっとしていれば、声を頭部に集めても、響きは浅くならないのだ。むしろ、明るく音程の良い声質になると思えば良い。下あごを動かさずに発音する練習は鉛筆をくわえて歌うこと。くれぐれも姿勢を悪くしないように、あごが出ないように。

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3月28日

みくりやさん。発声練習のやり始めは例によって小さな遠慮がちの声で始る。自信がないのだろうか。ともかく息をしゅ〜っと出してぽわ〜っと声を出すことを心がけてほしいものだ。(笑)良い声は大分出るようになってはいるが、まだ安定しないようだ。声質のポイントがつかみにくいようだったので、オの母音でやってみると最初は喉に力が入って太い声になっていたが、響きは中に響いて良い声になっていた。高い方から降りる形でやると、喉の具合も良く、きれいなふくよかな響きが出るようになった。低い音域は、あごを下げ過ぎずに、野太くならず適度な明るい響きのポイントで、高くなって、喉が上がりそうなポイントになったら、下あごを充分下げるような感じが丁度良いと思う。ちょうど2点Cのところですごく共鳴が出ていた。本人は感じていただろうか?このオの母音からわずか唇を広げる感じのアの母音を出す。この時に中で響いている響きを変えないようにして、アの母音にすること。このアの母音を忘れないでほしい。今日のレッスンでどういう声の響きを求めているか?が良く分かってくれたと思う。
久しぶりに、フォーレのレクイエムから"Pie jesu"をやった。最初はラララでやろうとしたが、難しいのでリリリのイの母音で始めた。高い声、特にチェンジしてからの声を出す際に、息漏れが多くブレスが持たないようだった。お腹筋力の我慢と、あごを出さないこと、首をまっすぐに、頭の中だけで響かすポイントが見つかればブレスはかなり持つだろう。今日は不完全だったが、このポイントは必ずクリアできるようにしてあげたいものだ。リディアもやった。この曲もチェンジしてからの、2点Eくらいの響きが息漏れでなくなってしまう。
口を開けずに、頭の中に響かすこと。ただ、今日の感触はとても良かった。声質も良くなってきた。後は、響かせ方。そのための口の使い方、首の姿勢などを気をつければ後もう少しという感じだ。

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3月27日

たにぐちさん。前にも書いたけど彼女は来る度に何がしか成果を残して帰っていく。本人いわく最初の伸びは良いらしい。(笑)何につけ笑わせてくれる明るい人だ。声は気の結果でもあるから明るく声をしっかり出す傾向にある人は向いているといえば向いているのだろう。発声から良い声が聞かれるようになったし、安定してきた。そろそろ次の段階に入っても良いだろうと思った。高音域を練習してみたが、今は2点Eくらいから声の出し方を明快にチェンジさせている。それまでの音域では、喉を開いて太く息の混じった声を出す練習をしていた。そして、高くなったら、あごをあまり下げずに、頬を上げて、響きを脳天あるいは後頭部に当てる感じで出す。このやりかたでも、上に引っ張る力と下に引っ張る力のバランスを決めれば声がはまってくる。今日は3点Cまで発声で出した。今までで一番良い高音が出た。2点Fから上だけのパッセージでも喉声にならずに、処理できるようになっている。長足の進歩といいたい。
曲は、O mio babbino caro..テンポを決めて早すぎずにおおらかに歌うように。ブレスを必要以上に取らないで、なるべく2小節単位を原則守るように。中音部がやや太くてこもる感じの声だし、もう一つ声に力がないので、顔の幅の範囲で声を前に指向性を持って歌ってもらった。これだけで、声がしっかりするから、イメージというものは不思議だ。本人曰く、CDなどでプロが歌っている声はもっと旋律が同じ声質で一定している、、、とのことなので、やってみた。要するに口を開かずにアーティキュレーションして、響きを高く高もち響かせる。それでも、中低音の声は太い。やや喉の開きを言い過ぎたカナ。。と思い、口を閉じたポジションでおでこに当てるように。時間があまりなかったので、じっくり練習できなかったが、今度は喉の位置のことを矯正して響きを少しずつ高いポジションに変えていってみよう。ただ、高音はまた難しくなる。今日もやってみたが、喉が上がってしまうようだ。首の支えがしっかりしないと、あごが上がってしまう。
それと、口の使い方を練習しなくてはならない。特にイの母音。口を横開きにしないように。感心したのは、声が決まらなかったMi struggo e tormento.の件のエの2点Aが喉になってしまったのと、Mの母音をあまり言わずに処理することでクリアできたこと。こういうことを言わなくてもやろうとするところに、素質がある。
浅く広くではなく、深めて行って欲しい。。

いとうさん。下降形でAから発声を始めてみた。すると、喉の上がった浅い響きの声で始めたので驚いた。今までぼくは何を教えていたのだろうか?すると、喉を開くと声帯が合わなくなるし、下あごを下げると音程が下がるから、、、との答えだった。はは〜ん声質がもぐもぐして音程が悪いために、声の響き、倍音で響かせて音程を合わせようという気だな!と思った。音程が悪いのは、まず声の当て所の意識が持てないために、声の支え、拠り所が持てないことが一番大きいのだ。たとえば、地面に立つにしても、重心が感じられないとぐらぐらするのと一緒だ。音程というのは声のフォームで決まってしまう。前記の浅い響きの声にしても、良く言えば喉にもどこにも無理な力が入ってないから、それは良いといえば良いのだが、逆に言えば力が入らなさ過ぎるとも言える。弦楽器でも弦はきちんと巻いて、しっかり張らなければいけないように、声帯もそういう状態を作ってやらなければならない。というわけで、顔の位置首の張りをしっかりさせた。顔がまっすぐに、ややあごが引けた状態になれば、自然に喉の位置も決まるという感じだろうか。喉で喉を下げるようにすると舌根に力が入り過ぎて これまた良くない。後は唇の使い方、特に彼の場合下唇を適度に出して緊張した状態にすると、声が前に当たるし、喉も上がらないのだ。唇は大事である。唇の緊張感は喉頭の支えに繋がるのだ。どうにもならなかったので、まずイの母音でポジションを決めた。そこから、エオアの母音を導き出して声質を整えた。喉が開くから響きが落ちるのではない。響きを落すのは息の送りがきちんとしていないこと、喉で声を当てるからである。息がきちんと頭部に向けておくられていても、まだ音程が低いとしたら、それは喉に力が入り過ぎているのだ。結局息が喉で止まってしまっているのだ。喉の開きは声帯の開きと同義で基本的にはあまり鳴らないが、どんなに鳴らすときでもわずか開いているくらいの響きが一番きれいな響きである、、ということは最初に覚えて欲しいことである。それは、息と共に音の波動が出ることが声楽である、といっても過言ではないからだ。
口を開かないポジションは比較的声帯は合い易い、が、合わせ過ぎは禁物である。合わせるとしても、声の当て所を頭部に持っていくこと、適度な声帯の開きを持たせるために、喉の位置が上がり過ぎないように気をつけて欲しい、そのための、首の張り、あごの引きである。一番鳴り易い母音がイである。が、口を横に引いた形のイは、喉が狭くなり聞きづらい浅薄な響きになりやすい。それは、喉が上がるからである。これを避けるために、下唇を前に出すような感じの口の使い方をする。唇は円唇化傾向である。どの母音でもこの形は有効である。声帯の声唇部にわずか隙間を与えてくれるからである。
それから、曲をやったが、発声練習で持つ美声が生かされていない。棒歌いになってしまう。これは、経験が必要だが、基本的な練習の中に、言葉を朗読することをもっともっと大切にしてほしい。譜読みや歌うことだけでは絶対得られない、言葉と音楽とが醸し出すリズム感、あるいはフレージングの妙は、朗読することと、言葉のリズム読みをすることである。その時でもブレスとフレーズ感は忘れないで欲しい。むしろ、譜読みをする前に、このことを徹底することをお勧めしたい。

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3月26日

にしさん。一年近く続けたレッスンも今日でひとまず終わりだ。就職のため4月から東京を離れることになる。良く勉強をしたと思う。人によって喉の動きは違うもので彼を教えてテノールを作る難しさをとことん知ることになった。それが、ふしぎなもので最後の最後になって本当に良い感触を得ることができるようになった。これは彼の努力の賜物だろう。発声では、色々あれこれやってみた。今日はファルセットから息を流してしっかりした息の支えのあるファルセットを練習した。喉を明快に下げると太くなり過ぎるし、そうでないと喉が上がるし難しい喉頭の動きをする。そこが一番難しかったが、結局、内堀埋めるのではなく、外堀から埋めていく方法が一番良かったのだ。問題点は肉体的な反応や実際の声を通して比較的すぐに発見できるのだが、直し方が問題だった。問題点ばかりを直接直そうとしても、無理があった。ひょっとしたきっかけで、1点Eくらいから上のスケールで練習を始めたら、良い感じで喉が開き軟口蓋も上がったポイントが出た。それはちょうど、喉頭の位置が適度に固定されてかつ、上の響きも出せるポイントという感じだろうか。こればかりは文字ではうまく説明がつ かない。喉の中の真空のポイントが出来た感じとでもいおうか。これができないとテノールの高い領域の声が出せないという出し方だ。まだ、完全ではないが、コツは飲み込めたようだ。気をつけないと、すぐに下の胸声の響きだけになってしまう。それは、たとえばオの母音などでなりやすい。彼の癖だ。下あごを開き過ぎてしまうと、そうなる。意外とエの母音だとうまく行く。軟口蓋との釣り合いが取れ易いのだろう。くれぐれも、バランスを崩さないように、またどういう声質がこの場合バランスが取れているか?ということに注意をしてほしい。力で押しきらず、かつ適度な力を使って。後は母音による差だが、特にウやイの母音の際には、中で響いている響きを変えないような口の使い方を探していけば良い。一年かけて中音域も自然に良い声になってきた。何より、以前は胸声だけで音程が取れずに困ったものだったが、今では安心して聞いていられるようになった。歌うこと、声楽の技術は素晴らしい財産になるから、これからも、ぜひ続けて勉強して欲しい。

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3月25日

こぬまさん。昨日もやってみた鼓唱法!?で口の形を作ってみて、発声をやった。彼女の場合まるで初めてではなく、今までの蓄積があるので、すんなり収まらないところが逆に難しい所だ。結論から言えば響きの良いポイントは見つかるのだけど、口の使い方によって、すぐに変ってしまう。基本的な声質は悪くないし響くのだけど、その辺りで響きがすぐに変ってしまう。口をきちっとすぼめてオの母音で単音で響きを探してみる。低い方でやらずに、1点Aくらいで良い響きを探して下に降りる。何度かやってみて、一番響く声が見つかったと思う。口のすぼまりをきちっとさせて、楽に息を送ってやればそのポイントはすぐ見つかるはずだ。大事なことは口のすぼまり。このオから本当に少し軽く上唇を開いてアの母音を作る。慣れたら、適当な所でウオエイアで母音の練習。響きを変えないように。特に広い母音のエとア。言葉にするとこれだけだが、これだけで30分以上はやっただろうか。。何度も書くが口の使い方だけでものすごく響きが変ってしまうので、今日やった口の使い方を徹底させて欲しい。曲は「落葉松」最初に歌った時は、声が浅く響きが痩せていた。pppのディナミークのせいもあ るが、言葉の扱い方が大きかったのだろう。その後オの母音で練習してみると響きが格段に良くなる。次に、母音練習そして言葉でやってみた。からまつ。。。のラの母音からマに移る際に、Mの子音の使い方を教える。唇を使う子音のために、どうしてもあごを動かしてしまうが、この場合それをやると、レガートが切れてしまう。唇の先だけを閉じてMを発音するようにしただけで、きれいにレガートになった。このような子音の扱い方は、いくらでもあるので、参考にして欲しい。後は随所にあるエやイの母音が狭い。このため母音の響きの同一性が崩れて結局レガートが崩れ響きも損をしているように聞こえてしまうのだ。母音の響きの同一性がないことは、単に同一性だけではなく、低音域における声量のなさにおいても損をしてしまうのだ。中低音こそレガートに響きを保つべきだ。後はフォルテの出し方。その前にフレーズの切れ目で低音部に降りる(移る)際に、ポジションが高いと、結局次に出てくる高音のフォルテもしっかりした力強い声が出てこない結果になる。力強い声は、体に重心が持てないと出てこない。
イの母音も狭すぎて響きが浅い。口の中を広く使って、中の響きを大切にする方が結局は良いと思う。
あと、個人練習の最には、手などできちっとリズムを感じて練習をすることも大事だと思った。伴奏なしで一人で歌わせてみると、きちっとしたリズム感が感じられなかった。これは、お腹の支えも関係あるから、練習の際には常に落ち着いたきちっとした一定のテンポで練習することを薦めたい。

ちばはらさん。

声を出し始めると、まるで喉声なので彼も鼓唱法でオの母音から響きを作ってみる。その前に息を吐く練習をしてみた。最初はサーサーと出していた。喉の開いてない息の出し方だった。ビール瓶の口に息を吹くと良い音が出るように、喉を下げてということは、あごを下げて口のすぼんだオの母音で息を吐くように声を出すと、ヘ音記号のド〜ミあたりで良い声がでる。結局まずは声帯あるいは声帯周辺の筋肉のリラックスがまずは大切だ。何もしなくても響きが頭部に行く声が出ている。そのまま上がったり下がったりして、音域としては1点Dくらいまでにしておく。高音のチェンジは先の課題にしておきたい。中低音でまずは力の入らない、ポジションの低い良い状態を確立した方が、後々楽だと思うからだ。とにかく喉声をなくしたいのだ。上記のやりかたで、スンナリと響きのある声が出せている。力を喉に入れないようにするだけで、全然違うものだ。それは、声の方向性を前に持たせないことも意味があるかもしれない。これは人によるのだけど、概して喉っぽい声で張り上げてしまうタイプの人には良い方法だと思う。それと、高い方に昇って低い声に降りる時。すとんとお腹を緩めて低いポジ ションに戻ることは大事なこと。これは、結果としてはポジションを一定にするために大事なことだと思う。どうしても、高音は体が緊張する。緊張から弛緩へ。。という流れは良い声、持続性のある声や声質に同一性を持たせるためには大切な身体感覚だ。低音がポイントだ、といっても過言ではないと思う。
今日発声でやったことは、これだけ。これだけ覚えておくだけで、大分良くなれるはずだ。良くなってもらわないと困る!偶然今日の歌はテノールにしては音域が低かったので、今日の発声練習は有効だった。高音はまた、少し違うこともやらなければならないが、まずは中低音を落ち着いて喉声にならずに出せることが大切だから。曲では、オの母音で息を流すことを徹底した。どうしても音程を喉で取ってしまうのだ。ピアノの鍵盤を叩くように音程を取ってはいけない。特にスケールの上向フレーズの場合、息を滑らかに送ってその結果自然に音程が出るように歌うこと。当然、三連符のあつかいなどもそう。こぬまさんと同様に低音に降りたときにきちっとそのあるべき響きのポジションに降りることも気をつけて欲しい。次の声のポジションに大きな影響があるから。彼の場合は口の使い方は良いと思う。割と力が抜けて、一定の口の形で処理することが出来ている。彼の場合は、とにかく音程を喉で取らないこと。息を良く使うことだ。後はフォルテの時には喉に力を入れないで、身体の重心をしっかり落すことだけで、フォルテの声になると思ってほしい。自然に腰に力が入るのだろう。

体の使い方というのは、簡単なようで難しい。分かりきったからだの使い方でも、イメージを持ってやった法がすぐに出来ることもある。腰を使って、、というよりは、単に重心を落して、、といった方がスンナリできることもあるのだろう。。

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3月24日

よしおかさん。今日は体をほぐしてきたということだった。が、今日は徹底的に楽に声を出して、そこから体の硬さをとって見ようと思った。単音だけでまずは楽に出す。それも低い音域で楽に出るところから。しばらくやってから今度は息を吐く練習。とはいっても、楽に喉に力を入れないようにする息の吐き方は意外と難しい。結局意識しないで吐くことだけに意識を集中して、少しずつ吐く時間を長く持続するようにして行った。
ある程度慣れてから、声を単音で低いところから出していく。安定して来た。次に口で共鳴を作ることをやった。唇に手のひらをポンポンと鼓を打つように当てて、良い音がする程度のあごの下がりを見つける。その状態で再び、声を楽に出してみる。これだけで、声の当て場所から共鳴のポジションが自然に見つかる。
ここから、今度は2点Dくらいまでをゆっくりと単音で上がって練習し、その後に小さなドレミくらいのフレーズにしてやってみる。ここでも良い響きが聞けるようになった。次にオの母音からわずかに唇を変化させる程度でアの母音にして、同様にある音域まで上がり下がりの練習をする。次に1点Aくらいの単音でウオエイアの母音をなるべく声質が変らないように練習をする。ここでは、要するにイやエの母音が一番注意が必要だ。だが、ここもスンナリとクリア!今日の発声練習は大成功だったと思う。彼女の場合口の使い方と、お腹や胸の使い方に硬さがあったので、このやり方が成功だったのだろう。物事はなるべく一つの成果、目的に到達するための道筋をシンプルにしないと、いけないのだな、と実感した。
曲でも練習をした。前回の発表会で取り上げた、O cessa di piaarmi..をやった。音域が低いし苦手なイやエの母音が頻繁に出てくるからだ。最初に母音練習をした。言葉から子音を取り出して、母音だけで歌う練習方法。声の響きを統一して滑らかな歌唱を目的にする。実際はイの母音が難しいようだった。発声ではスンナリと出来たことが、いきなり、出来なくなるのが面白いと思った。それは、こういうことだ、フレーズの出初めがoという母音で当然、オである。さっきの発声では、母音を意識せずに結果としてオを発音していた。同じ母音の発音なのに、言葉を意識しただけで、もう喉や口に力が入って、喉っぽい声になってしまうのだ。
事ほど左様に、意識というものの大きさがある。逆に言えば、言葉と意識することで日本人は日本語の母音を無意識に出してしまい、発声を悪くしてしまうのだろう。ここでも問題は声質である。母音の形や意味ではなくて声質として、ある種のフォーマットを覚えてそのことに集中できれば、飛躍的に早く進歩できるのではないかな?

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3月23日

なかがわさん。発声練習では声のポジションをしっかり低く保つことに集中してもらった。それと、ブレスを絶対に胸でしないように。簡単にブレスをするのだけど、それがために、お腹の筋肉を使えずに準備が出来ていない状態で声を出すので、元々軽い声がなおのこと軽くなってしまうようだ。注意すれば、良くなるのでくれぐれもブレスを気をつけて欲しい。お腹から背中にかけて、丁度横隔膜がある辺りを軽く拡げるように息を入れること。胸、喉あたりで簡単に息を吸うようにして出すと、声が上がってしまう。デリケートな差だけどとても大きい差だ。彼女の場合ポジションは中低音では、低く下に向けてふわ〜んと押し付けるように声を出すくらいで丁度良い感じがある。お腹を使って息を上に昇らせることも大事だけど、むしろ、それよりも声を出す際に地面に向かって軽く降ろすようにした方が声のポジションが落ち着くようだ。落下傘で地上にふわ〜んと降りる感じ。今はこれだけ、覚えて声を出すことに集中すれば良いと思う。
曲は、ヘンデルのLascia ch'io pianga..レシタティーヴォからやる。発声の効果があって、落ち着いた声が出せるようになった。エの母音は喉が上がるから気をつけるように。それと、音程が飛ぶときも気をつけて。
低い声は声量が出ないけども、乱暴にならずに響きのポジションが上ずらないように、それだけしっかりさせていれば良いと思う。モーツアルトのアリアも大分良くなった。声が良く響く感じ。音も良く取れるしイタリア語も大体良いから、とにかく声質に気をつけるように。


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3月22日

よしおかさん。今日は珍しく準備運動から始めた。どうも彼女は体が硬いかなと思ったからだ。案の定本人は硬いといっていた。固い?硬い?堅い?どの感じをこの場合は使うのだろう?笑
さて、体をほぐすと、息が自然に流れるようになる。だから、息がどうも、、という場合や気持ちが急くようなときはゆったりとして無理のない、ストレッチなどをすると、息が落ち着くからやってみてほしい。
発声は、オの母音単音で低い方からゆっくりと始めた。この場合も特に筋肉を意識せずリラックスさせる目的が大事だろう。ある程度、声を出すことがリラックスに繋がってから、筋肉を使った普通の発声練習に移行した。こうやってみたら、とても良かった。高い方もしっかりした声が出せるようになっている。ただ、今日は口をあまり開けないポジションで高音を練習してみた。あごが前に出ないように姿勢はしっかりさせた上で、口を軽く開いて、あるいは鉛筆や指をくわえた状態で2点Eから上の音域をやってみた。声は脳天めがけて当てるように。お腹もしっかり使うように。これをやりながら、少し頬を上げてみたり、口の端を少し引いてみたりすると良い共鳴が得られる場所が分かると思う。あるいは口の開ける大きさも少し変えてみても良いかもしれない。こうして、その人なりの高音の共鳴を探して見て欲しい。後は、口にくわえないで練習をしてみる。スタッカートも高音の良いアタックを探すのには有効だろう。喉が上がらないように、ということは、お腹をしっかりと、そして姿勢。あごが上がらないように気をつけること。
曲は、Tu lo sai ..とても出来が良かった。ポジションも上がり過ぎずに、ブレスも自然に伸びた。特に練習をしたわけではないらしいが、コツが自然に身についたのだろう。あるいは、今までの積み重ねがここに来て開花したのだろう。彼女の良いところは曲の持ち味が素直に声に反映されるところだ。後は声の技術を磨くことで本人の感性が声のキャパシティの大きさに従ってより大きく反映されて行くことだと思う。

あめくさん。普通に発声を始めた。声は安定している。声質も良い。ウオエイアと5種類の母音を同音で出すことをしてみた。とても均一で良い響きが出ている。発声練習の成果は上がっていると思う、声質はメゾだが高音が意外と伸びる。メゾと思うのは、中低音が太いためだ。ただ、まだ声量はない。だが、声量は焦りは禁物。声は押しては駄目だから。これは自戒を込めて生徒達に教えたいことだ。。なぜ押すと駄目か?というと、声の大事なポジションが上がってしまい、大事なノーブルな声の響きが損なわれてしまうのだ。
特に中低音は元来が声量が出ないものだから、ついつい押してしまいがち。くれぐれも注意したい。
曲は、Sebben crudele..から。おや、、と思ったのはエの母音が喉の深さを保って出せるようになっていたこと。発声で現れた効果が、曲の発音でも反映されるようになった。エの母音は苦労したから、良く練習したのだろう。ただ、そのためか、母音の響きが暗くなる。全体に口を閉じ気味のせいだ。発声のオリジナルの部分、基礎はこれで良いとして、出口の口の部分、特に唇の扱いと、口自体の開きを気をつけて欲しい。オリジナルの響きを変えないで、なるべく開いたり、唇を朝顔のように開いた感じで発音すると、声質が明るくなる。これからは、この辺り気をつけて見てほしい。そのための練習として、言葉の母音だけを取り出して歌ってみた。子音は後からおまけ程度に付けてみる。要するに喉の開き、軟口蓋の上がりが母音や発音によって変らないような口の使い方を覚えるためだ。また、高音、2点DくらいからFくらいの音域の声でしっかり出す場合もあごの開きは重要だ。モーツアルトのフィガロからケルビーノのアリア"Voi che s'apete"でも同様のことが言える。子音を出し過ぎないで、特に唇を使う子音、P、BやMなどは、唇の先を軽く合わせるように、あくびをこらえるような感じでやってほしい。でも、本当に全体に良くなった。着実な成長が見られるのは嬉しい。次回のために、グルックのオルフェのアリアを譜読みした。全体に中低音が多い曲だ。この辺りの声質にこだわってみたい。

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3月21日

発声では変らず、声質をうるさく言っている。あまり理屈をこねなくても、ちょっとしたコツではまった声を出せる要領を持った人だけど、逆に言えば定着するのには時間がかかると思う。
ちょっと、彼女のレッスンから考えたことを今日は書いてみたい。。
クラシックの歌というのは、実は相当特殊な声の出し方を要求されるものだ。日本では、一昔前までクラシックの発声はお手本のように言われていたけど、それはおかしいのだ。
お手本のように言われていた発声というのは、喉を開いて、声帯の鳴る音をあまり強調しない歌い方に限定されたことで、これは、反日本民謡的声の出し方が良し、、とされていた考え方から来ていると思う。明治維新以来の西洋崇拝の名残だ。西洋崇拝ということは、それまでの日本的なるものへの否定だ。だが、さすがに時代はもう変っているんだね。逆に言えば、そのことを良く分かった上で、本当の西洋的な嗜好とは何か?ということが、理解され得る時代だと思っている。そういうのが好きな人がそうすれば良いし、嫌いな人はやらなければ良いだけだ。好きか嫌いかという嗜好のレベルなんであって、正しいか正しくないかではないと思う。そのことが分かれば、クラシックの発声の何たるか!?が即理解できると思っている!
ぼくにしてみれば。。。声の使い方は西洋的嗜好だろうが、東洋的嗜好だろうがどちらも好きだ。ブルガリアンボイスなんて、最高にエキサイティングだと思う。
だが、こと作品がいわゆるクラシックであれば、ぼくはオリジナルの嗜好に忠実でありたいと思う。日本的な嗜好にカスタマイズしてしまうのは、好きではない。だから、フォーレの歌曲を木綿の風合いで歌うよりは、黒いビロードの生地に金の刺繍がしてあるようなそういう風合いで歌って欲しいと思う。
ぼくが教えたい発声というのは、曲のオリジナルが求めているものに忠実な声質をどうやって出すか?ということだと思って欲しい。一番問題なのは、基本的な喉の使い方や呼吸による、声の準備のことではなく、発音と発声の関係にあると思っている。
日本人はあごの使い方が一般に悪い。喉を開いたり、軟口蓋を上げる目的があっての上であごを良く使うことを忘れないで欲しい。逆に言えば、言葉の発音の中で一度開いたら発音のためにあごを締めてしまうことが無いように。舌先を良く動かして発音することに慣れて欲しいと思う。舌の動きも鈍い人が多い。要するに喉を開いた状態を保って発音する発声するということ。これをやってみれば、分かることだけど、相当おかしいことをやっていると思う。普段の日本人の言語生活には無い動作ばかりなのだ!
今日はリディアを練習した。声質にこだわらなければさほど難しい曲ではない。ただ、この曲がイメージしている世界は、本当にビロードや金糸の刺繍の世界だ。声質もそれだけのクオリティに仕立て上げないと意味が無いと思う。だから、何度も言うけど、声質!声質にこだわって欲しい!

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3月20日

さぶりさん。発声は楽に声を出していたので、低い方に下がってから、再度上がっていったら、喉が一定に低いポジションに落ち着いていた。ただ、どうも喉が荒れているというか、ややかすれる傾向があった。
ちょっと疲れているか、花粉症だ、、とのことだが、喉を下げるあまり、舌根に力を入れ過ぎではないか?と心配した。その後発声を聞いていると、喉を下げる効果は出ていた。特にチェンジから上の高音がとても良くなった。ドイツ語でいうデックングが効いてかなりな高音まで出せそうな感じになっていた。これは、喉を下げて開いていることによる効果だと思う。
喉頭を下げることは、イコール喉を開くことだけど、舌根だけに頼ってやると、無理があると思う。基本的にあごを引いて、首をまっすぐにするだけで、喉は下がる。それから、下あごを自由に使うことでも喉は下がる。その際、胸に力を入れないで楽にしておくことも、胸から喉頭に伸びる喉頭引き下げ筋が働いて良い。いずれにしてもやり過ぎは禁物。ある程度無理の無い範囲で下がっていることと、歌う際に喉が一定であることに注意を向ければ良いと思う。
曲は小林先生の合唱曲をやった。なかなかドラマティックな良い曲だった。しかし、歌って見ると確かに軽い。特に声を小さくしようとすると、喉が上がる。それから、声を出そうとすると、ポジションが上がると思う。
喉の位置そのものをコントロールしようとするよりも、フレーズの声で出だしでの意識をもっと低い場所に感じて声を出すだけで、自然に喉が下がり、良いポジションになるのではないかな。
しかしながら、良く練習していると思う。

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3月19日

さたけさん。声は本当に良く出るようになったし安定している。ただ、意外と意識を持たずに声を出しているようだ。それで良ければ良いが、ある程度自分の声を出すポイントを明快にしておいた方が、調子が出ないときなどに良いと思う。声がどこで響いているか?声を響かせるポイントなどははっきり自覚しておいた方が良いだろう。目の奥あるいは、鼻の奥、軟口蓋あたりで響きがいつも意識されるように。例えば、上向形の発声をやる時は、最低音を出すときすでに、最高音まで出せるキャパシティを体に持つこと。それは、口の中響かせる場所の空間の感覚があり、そこではどの音程に行くのも自由に行き来出来る感覚だ。ただ、顔の中だけではなく、横隔膜が開いている感覚と同時であってほしい。難しいが、慣れればわかるようになるだろう。
フォーレの「秘密」を練習した。最初のフレーズの声がとても良かった。声楽家の声になってきた。前回教えたポジションを低く持つことが、効を奏したのだろう。ただ、リズムがまだ身についていない。それから、やはり発音だ。まずJe veuxのあいまいな母音。歯と歯の間に指一本入るくらいは開いて欲しい。qu'auが広いアに近くなってしまう。狭くオと発音すること。
この曲の歌詞は題名に促したフランス語の母音が多く、狭く暗い母音が言葉の意味に即応して使われている。狭い母音が狭い母音として発音されて欲しい。口をもっと突き出すように丸く使うことを厭わないで。
それから、フォルテになる、フレーズはこれもポジションを上げずに。声を出そうとすると、ポジションが上がってしまう。出すべき所のフレーズの前の準備でポジションをドスンと下げると、力が脱力してしっかりした本当の声が出易いものだ。そして、次のピアノもむしろもっとポジションを深く取るくらいにすると、柔らかい声が出し易いはずだ。リズムは4分音符2拍子ではなく八分音符4拍子で勉強すると、良く分かると思う。
リズムは最低限の基礎だから、きっちりと勉強しておいてほしい。

にしさん。
昨日に続いてやってきた。4月から就職で最後の自由時間を好きな歌に費やしていることが良く分かる。
発声も色々な問題点をクリアしたいのだろう。まあ、焦らずにしかし確実にやっていけば、きっと良くなると思う。いつも書いているように、彼の中高音での声帯の使い方が一番難しい。俗に言うチェンジが出来ていないために、広い音域において声を音楽的に使いこなすのが難しい状態だ。その上一番難しいテノールだから尚のこと大変だと思う。ドミソの発声では、一番高い声を、薄く当てるように。このために、また声を当てる場所を顔の前や喉の前に意識しないで、後ろを意識すること。あるいは、脳天目掛けてでも良い。声を出す瞬間に喉が下がるとしても、それだけで、声を前に当てると野太い音程の出ない声になってしまうから。
問題は声帯自身のコントロールにあることを分かって欲しい。喉を良く開いて声帯を薄く当てる練習をするともう少しで出来そうな感じがあるのだが、やはり分厚く当たってしまう。ぼくが観察するに、多分軟口蓋から引っ張り上げる感覚がまだ出来ていないのだろうと見た。それで、舌先を上歯につけて、奥を意識させてみたが、やはり、まだ前に声を出そうとする意識が無意識である。この辺りの癖も時間をかけて相当直さないと良くならないだろう。少しずつ地道に直していくしかない。これからは、あまり回数が出来ないが、こういう遠方の人とオンラインで声を聞きながらレッスンが出来ると良いだろうな。ブロードバンド時代になったのだからオンラインで出来ないことはないと思うのだが、、、ただ、一人でも音程などは確認できるからある程度録音して勉強することも悪くはないと思う。
少々練習をし過ぎて高音が出なくなったので、イタリア古典のsebben crudeleをやった。それにしても、チェンジ前の中低音も音程が悪くなる。これも当て具合の問題。単純に声のだし具合といっても良いと思う。胸でしっかり歌うのは良いが、声を当て過ぎるために、太すぎて音程が悪くなる。この辺りも耳の問題があるから慣れることが大切。くれぐれも丁寧にデリケートに声を音楽を扱ってほしい。


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3月18日

にしさん。発声を聞いたらずいぶんと喉を開く努力をしているのがわかった。低音はそれで良いとして、やはりチェンジから上が難しい。最初は、ドミソの上向形で特に一番上の声を当てる際に、薄くあてるように、そしてそのために軟口蓋を上に上げること。この練習として、息だけを吐く練習で、息の音が軽く高くなるように出すことがコツ。これは、息を当てる場所を軟口蓋あるいは、もっと後ろに当てるとなる。この息の当てる場所も声帯の使い方と関係してくるから、良く練習して欲しい。
なんとか、1点ミくらいまでは、それで出来るが、それ以上は声を出す前に喉が先に上がってしまい、無理のようだった。結局声を出そうとする瞬間に喉が締まってしまうことをどうしたら避けられるか?そのために、素早いスタッカートをやってみた。何度かやるうちに、スタッカートでも出すのに時間がかかり過ぎる。それは、お腹を使い過ぎているためだ。特に高音を出す際に、首から顔から胸からものすごく動いてしまう。体がどうして動くか?といえば、お腹、特に胃の当たりをものすごく堅く動かすためのようだ。筋肉だけが動いて横隔膜が楽に反応できる状態になってないようだ。
横隔膜を準備する状態にするために、下腹部を少しへこますようにして、その上に息を軽く入れておく感じにすると、横隔膜が細かく楽に使えると思う。ティッシュを口の前で細かくフッフッフと動かす練習をしてみる。この程度のお腹の使い方で充分だということをわかってほしい。そして、スタッカートの場合、お腹を意識しなくても喉で切れば自然にお腹がついてくるくらいの感じで良い。
それよりも、喉の開き、下がりに全神経を集中して声を出すことと、瞬間の喉の位置決めの関係をやり直して欲しい。声を出す前に、息をハッハッハと吐く練習で喉の位置を練習してみても良いだろう。
この練習が出来た上で、声を出し、音程が良くなるポジションを探して見て欲しい。

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3月17日

こぬまさんが来た。発声練習をやったが、声は以前とあまり変りはないようだった。本人は意識せずに、考え過ぎずにやっているようなので、こちらも良しとした。気になるのは、ブレスが浅いこと、あるいは開きが足りないこと。開きと言うのは、ブレス時の喉の開きと横隔膜の準備状態を維持すること。俗に言うあくびの状態の準備が足りないと思った。胸、あるいは喉で息を吸う音が結構する。この瞬間、準備が出来ているのだが、声を出す瞬間にせっかくのその準備が元に戻ってしまっているようにも思える。
喉がやや高く、横隔膜の準備が足りないように聞こえる。
コンコーネをやった。2番である。これは、二度の短いフレーズを休符をはさんで徐々に上向していくフレーズの練習だ。二度の音程の声の使い方だが、基本は(これが大事だが!)二つの音程を別の音として捉えるのではなく、最初の音を元に上の音を紡ぎ出すという声の使い方が大事だ。そのためには、安定した喉の状態の維持と、お腹のデリケートな使い方が大事だと思う。音程を意識し過ぎないで、響きを強く倍音を強くしていくように、お腹を使うと、自然に二度上の音程になっている。。。という感じ。こんなことが基本的に出来るようになると、良いな。合唱曲の落葉松をやった。出だし、彼女苦手の音域でのフレーズ。彼女の声は中低音部でまっすぐな声だが、心持ち低く聞こえる。ビブラートがないのは、良いが、もう少し声帯を開いて息の柱を立てて響かせることが出来ると、言うことはないと思った。まだ、声帯の鳴りだけで出している感じがする。そのために、やや低く聞こえるのだろう。そのためには、やはり喉の開きと、軟口蓋の高さが必要だと思う、ボカリーズの最高音を一人でやるらしい。高音にしても、お腹の強さ、喉の開きを必要とする。ディミニュエンドなどは、お腹を 最高に使うこと。腹の皮が背中にくっ付くくらいにして、ディミニュエンドさせなければならない。口は、喉を開いたまま口先を閉じていく感じが良いだろう。高い2点bやAは、頬を上げることも、明るい音質の助けになるだろう。


へんみさん。久しぶりだったが前回やったことはほとんど元に戻っていた。喉を開くこと、お腹を使うことの基本をもう一度やりなおした。お腹を使うという意味は、横隔膜を使って声を出すということ。声を出すときは、お腹を中に入れていくように、あるいは、側腹を広げていくようにどちらでも良い。口は、口先よりも、喉あるいは軟口蓋を広げるように。いわば、あくびの状態をブレスで作ってその状態のまま声を当てるのである。この状態は、お腹(横隔膜)を使えるために、ブレスで準備できていなくてはならない。ブレスの度に一から始めるのではなく、声を出すという意識が芽生えたら、お腹、特に下腹部をやや中に入れておくと、横隔膜は使い易い。。はず。後は、姿勢。首が前に出ないで、真っ直ぐの状態が良い。また、声が出る刹那、あごが出るが、顔は動かさない方が良い。あくびは、喉の位置が適度に下がることで、喉の開きを促すことと、軟口蓋が上がること、いわば口の中が広くなることで、喉に負担を強いずに声を出すポジションが取れるからだ。そして、実際に歌う際には、発音があるが、発音に左右されずに、上記の喉の開いたポジションが維持されなくてはならない。そ のための口の使い方。指でも鉛筆でも良いが歯で軽くくわえた状態で歌ってみる。そうすると、喉が開いた状態で歌うことの意味が分かると思う。
以上、彼女は一つ一つ確実にこなしていた。まだ、全体に不十分だったが、完全に理解してやっていたので、後は覚えて欲しい。次回から忘れないで出来れば積み重なっていくだろう。音程は良いし、声もそこそこ出そうだ。

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3月16日

3月も後半になった。。。この一年というもの、本当に無我夢中のようで、逆に冷静なようでいて、そして信じられないくらい、月日の経つのが早く感じられる。自分の我慢ということ、耐えるということ、そんなことが頭に浮かぶような年になった気がする。とても疲れた自分がいて、一方そんな疲れなんて何ともしない信じられないくらいタフな自分もいた。自分のことなんて、分かっているようで分からないものだ。
イメージというものは大事である。大人になると、自分はこうだ!といつのまにか決め付けている自分がいる。ある意味で自分でコントロールできないくらい厳しいところに自分を置いてみることも、自分を試す。。という意味で大事なことかもしれない。その辺りの加減は難しいが。

きょうは、なかがわさん一人だった。昨日のレッスンは本当に花粉症のくしゃみの発作で大変だった。今日は少し良いが、目が辛い。。。。
さて、発声では今回も喉の開きについて、特訓した。本人は開いて声を出しているようだったが、ぼくの耳にはまだまだ足りなく感じられた。そこで、喉に手を当ててみた。すると、ブレスで舌根を下げ、喉頭を下げるように見えながら、にしさんもそうだったが、声を出す瞬間に喉頭がくるっと上に入ってしまうようだった。
喉の開き、いわゆる、喉頭の下がりは息を吸う行為と共に同時に行われなくてはならない。息を吸う、横隔膜が開く、そのことと喉の筋肉が繋がっていて、喉頭が少し下がる。瞬間に声が出る。声を出すために、喉頭が上がらないように、イメージしてみてほしい。胸に声を当ててみたり、あるいは、声は上に行かずに、胴体から足を通って地面を這うように声が出る。。。というイメージも良いかもしれない。これは、あくまで、彼女の場合だが。中音部から低音部の彼女の声は、子供のような声でよくよく聞けば音程もやや上ずって聞こえる。声に力を入れようとすると、声を出す瞬間に、声が上ずる。とてもデリケートな感覚だから、ていねいにしかし思い切り良く、声を出す瞬間の喉の状態や、体の使い方に神経を注いで欲しい。
ものを吐くような喉の状態で、声を出してみた。すると、くるっと声がひっくり返る様子を見せて、チェンジしていても声がスパーンと出そうな瞬間もある。だが、まだ分からない。あまり無理はさせたくないが、どうもあごを相当引いていたときに出た感じだった。喉の位置で、声帯の状態に相当違いがあるのだろう。急がずに少しずつ、調子を見てあげたい。今日は、ヘンデルの"Lascia ch'io pianga"のレシタティーヴォから中低音の声の出し方を徹底した。喉の開きとポジションの低さを徹底した。最後の方は、喉の状態が良くて、思いもよらず声量も出るようだった。この調子で次回も出来ると良いな。。




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