2002年4月後半レッスンノート

レッスンノート目次
4月17日 | 4月18日 | 4月19日 | 4月20日 | 4月21日 | 4月22日 | 4月25日 | 4月26日 | 4月28日
4月28日

よしおかさん。前回は、響きを練習したが、発声では呼気の弱いのが今度は気になるので、息を吐く練習とブレス時のお腹回りの使い方を練習した。下腹部をやや引っ込めておくと、横隔膜の状態が適度に緊張する(弾性が出来る)ために、吸気が落ち着く。肺が下方に脹らみ易い。下腹部を引っ込めておいて、腰から側腹にかけて息をしなやかに入れる感じを大切にしてほしい。その上で息をしっかり吐くように声を出すこと。頭部にばかり神経が行くと、今度は呼気の力が足りず、響きも出しにくくなる。あちら立てればこちら立たずで、声を出す身体のバランスはむずかしいものだ。ただ、吉岡さんの場合今の状態ならば、呼気をしっかりすることと、そのためのブレスの使い方を優先させるべきだろう。歌でも、結局あごに力を入れてしまうと、喉に力が入り、声が響きにならなくなってしまうケースが多いので、まずは、あごを開けずに、楽な状態で止め、息と声を口の方に送らずもっと頭部に向けて送るように歌うことが一番良いと思う。要するに口先で母音を作らずに、ということ。口先で母音を作ると、どうしても喉の響きになってしまうし、音程もはまらなくなってしまうからだ。今日は、Star vicinoでブレスを伸ばすこと、Intorno al'idol mio..では、口を動かさずに、響きを奥で作ることを集中した。あごから力を抜いて、あごを使わずに、喉の奥で響きに集中する方法はとても良いように思えた。まだ、喉が高い感じもあるにはあるけど、そのことよりも、あごに力を入れないことの方が大事だからだ。このためには、歌う際に頭も動かさないこと。これが、響きへの集中を増すようだ。段々とまとまってきているので、何とかこの調子で本番に臨めるように。。。

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4月26日

さたけさん。発声では下降形で、二番目の音がやや低くなってしまうので、意識してもらったこと、そして、声のアタックだが、1点シドあたりで、声が不安定なので、高く当てずに、前に当てるようにしてもらう。高くなると、必要以上にお腹を使ったり、声を上に上げようとし過ぎる傾向がある。そのために顔が動いたり、お腹に力が入り過ぎる。何事もやり過ぎないように、、。
発声でも、実際の歌でも、とても声が出るようになっていたのだが、前辺りから気になることが何とはいえないのだけど、あった。声が良く出るのだけど、響くのだけど響きがもう一つ低い感じがした。といえばいいだろうか。。発声練習ではさして、気にならかったのが、やはり歌になると、出てくるものだ。簡単なことだったけど、下に踏ん張り過ぎていたようだ。踏ん張りは必要だけど、踏ん張るあまり、息が上に行くことが足りずに、あるいは声帯が分厚くなって、響きがややもっさりしてしまう。特にこの問題が出るのは中音域だ。彼女は高音になるときれいにチェンジするので、良いのだが、また逆に、ポジションが高すぎてしまうこともある。このポジションを踏ん張ることと、勘違いしてしまったようだ。ポジションを低く持つ、ということは、声の出初めの問題で、喉が適度に下がった状態で出せるかどうか?ということ。ただ、今の問題としては、それよりも息を上に流すことを大事にしてほしい。声のエネルギーはお腹から出て上に向かう、と思ってほしい。フレーズを歌いきるまで、息は上に、あるいは前に、つながって行くもの、、と思ってほしい。
ただ、踏ん張るということは、必要なことではある。それは、確かにポジションを低くする効果はある。そのために、楽にしっかりとした声が出せる効果はある。ただ、あくまでも声の出初めの問題であり、出てからも下に向かって踏ん張り続けてしまっては、音程が低くなってしまう。ボールを床にぶつけて上に跳ねることを考えてほしい。声の出初めは、下にぶつける感覚があっても良いのだが、跳ねたボールは上に飛んで行くことを大事にしてほしい、、ということ。
今日も、顔を動かさず、ブレスもぶれないように注意してやったら、とても良くなった。音楽が落ち着く。声のポジションもぶれない。音程が上がる時も絶対に動かないように。以上のこと、大切に。。。


さかもとさん。今日も地声で喉に負担がかからないような発声を色々試行錯誤してみたが、とにもかくにも彼女自身声を出す際に、喉で当てに行くので難しい。。。声を出す瞬間に喉が上がってしまうからだ。あごを強制的に押さえてやると、逆に声が出せなくなってしまう。相当癖になっている出し方なので、根本的に治すのは至難の技だ。一番簡単に今の喉に負担がかかるのを避けるのは、声を上の出し方にチェンジしてしまうこと。いわゆる、地声ではないチェンジした声。ただ、ゴスペルなどで、大勢でやるときは、声に芯が出難いのでつまらないだろう。今日は、あごを動かさずに、ヤイヤイで上顎に声を集めることをやってみた。やればそれなりに出来るが、実際に歌になってみるとどうだろう?ちょっと、手を外すとあごがバクバク動いてしまい、喉声に戻ってしまう。せめて声を当てる力加減をコントロールできれば良いのだが、これも、強すぎるか弱すぎてしまう。声を顔面に集めることよりも、まずは声を出す瞬間のあごの出、喉の上がりを押さえてやる出し方を見につけるしかないだろう。。。時間がかかるだろう。
発声は理論を身につけても、実際の歌で応用が効かなければ意味がないと思う。これからは、実際に歌ってもらいながら、対処療法的に治していく方法を取っていきたい。


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4月25日

みくりやさん。発声では、指をくわえて喉の奥を広げて歌う練習をした。中低音よりもむしろ高音の響きを狙ったのだが、これが良い結果に終わった。ただ、本人がどれだけその意味を理解しているか?しばらくこのやりかたを続けてみたい。彼女は声を喉で押してしまう傾向があるのだが、それなりに歌えてしまうのでなかなか響きを作って歌うことが分からないのだが、ここのところ、苦労してようやく意味が分かりつつあるように思った。そうしないと、息が続かないし、マイクではなく響きで旋律を描く事の意味が分からないからだ。まさに、描くためには、息の使い方も一定でなければならない。ブレスをして息の出を支える。支えるのは響きである。響きが出ないと、息も無駄に出るので、息と響きとがお互いに支え合う、、という感覚が出てこない。これが課題である。今日、ようやくその姿がおぼろげながらも出せたと思う。後は、練習あるのみ!
これを、つかめなかったら、後はない。。。と思って、頑張ってほしいのだ。難しいのはわかるが、分かったことだけをとにかく、何度もトライして見てほしい。難しい曲は、フォーレの"Pie jesu"これもまずは指をくわえてやってみて、その後、指を外して普通にやってみた。おおむねやり方は分かっているが、問題は高音で怖がって息の伸びが足りなくなることだ。ブレスの長さも大事だけど、肝心の高音に上がる息の強さが出ないと、喉に力が入って、ますます悪い結果になる。まず大事なことは、高音にいたる息の伸びを大事に。これも練習しかない。リディア、夢の後に、この二つは今日の発声のやりかたを忠実にやってとても良くなった。むしろ、中低音が落ち着いた。この辺りになると、本人もかなり分かったようで、指を外しても顔を動かさずに喉の奥を開いてうまく歌っていた。口、特に下あごが動かない。それでも、発音は充分に分かる。次は2週間後だ。次回は、どうなるか?楽しみ。

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4月22日

さわださん。ひさしぶりだった。声は変らず良く出ていた。発声では中低音を中心に、声を上顎に集める練習をした。彼女は言えばすぐ出来るのだけど、ややもすると歌っていて中低音の響きが散ってしまう。発声練習は良いのだけれど、歌うとそれが崩れてしまう。彼女に限らずだけど、結局声と言うのは歌の中の声、言葉と密接につながっているので、歌の中、旋律における言葉の扱い方に習熟しないと、うまく行かないのだ。例えば、今日やったカルメンのハバネラ。彼女にしては低い音域だけど、中音部がもう一つ声が前に集まらない感じなのと、言葉(フランス語)に 慣れないので実際のところ響きがきれいに出てこない。まずは、言葉を普通に読む練習が必要だけど、ただ、読むだけではなくきちんと声を響かせて読むことは必要だ。単純に言えば声のトーンは高く張りのある声で読んでほしい。要するに朗読のつもりで読むこと。それから、歌と違い、読む時には、テニオハをきちんと意識してほしい。このやりかたをきちんとしないと、何度練習しても良い結果が出ないだろう。何となくもにゃもにゃでは駄目だ。これをきちんとしてから、リズム読みをやってみてほしい。歌になった場合だけど、フランス語は狭い母音(ウ、ユ、オ)と広い母音(ア、エ、オ)の差をきちんと出すことがコツ。この点はきちんとしてほしい。高音になると、これらの差を出すことは難しいのだが、この曲の場合、音域が低く音楽的にもどちらかというと、語り的な要素があるので、言葉のニュアンスは大事になる。これらを踏まえた上で、例えば、特徴的な3連符を正確に、かつ修飾的に扱うことや、ポルタメントを、やや大げさに言葉の表現の誇大的な扱い方などなど、課題は多い。最後に、プッチーニのボエームをやった。高音は張りのある良い声が出ていた。だが、ピアノで歌い 表現する場所も大事である。その辺で、きれいな集まった響きとレガートを実現できれば、素晴らしいと思う。これからも頑張ってほしい。

あめくさん。発声を始めたら突然太い声になっていた。姿勢を気にし過ぎて、喉が相当下がってしまっていた。アルトなら良いのだけど、難しいところだ。アルトでも良いのだけど、やや融通が効かないかな。。希少価値とはいえるけど、最初からアルトを選ぶ声だろうか?もう少し軽い声の使い方から始めて最終的に進むべき道を考えても遅くないと思う。というわけで、あごを楽にして少し軽い明るい声で練習を始めた。半母音JaやMamemiあるいはBibleなどなど使って、あごをあまり下げないで中低音での響きを上顎に集める練習をした。軟口蓋が良く上がった、いわゆる良く開いた響きをまず、言葉でも出来るようにしてみた。最初はやや喉が当たってしまうのだが、軟口蓋だけで響かす声を意識して実現出来るようになってきた。歌うときのこえだけでなく、普段の言葉でも軟口蓋で響く声を意識して出来れば、歌声はいつでも出来るものだ。さて、ここから、低音部での響きの上がった声が実現できると思う。今日やった、グルックのオルフェも、出だしも低い音域だけど、随分と明るく響くようになってきた。この状態でもっともっと息が送れれば、もっと響く良い声になる。そんな可能性を感じ た。この曲では高音は、あまりチェンジしないでなるべく下の響きもつけて良い意味で太くしっかりと出すように。下の声とのつながり、あるいはこの曲の表現としては、その方が合っている。なぜなら、男の歌だしドラマティックだから。ただ、やり過ぎてしまわないように。長く伸びるところはクレッシェンドして、他の曲でもそうだけど、イタリア語の抑揚が声の調子になっていくようになれば、素晴らしい。例えばこの後にやった、Voi che s'apeteなどもそう。単純なメロディだけど、この人はイタリア語で表現しているわけだし、単純なメロディの中にイタリア語らしさが出せれば、相当なものだ。また、そういうことで声というか歌が一本調子に陥らないようになれるのだ。簡単に言えば、イタリア語のアクセントがどこにあって、メロディのどの部分にそれが当たるのか?を研究してほしい。また、CDなども良く聞いて言葉の扱いをどうメロディに乗せているか?なども研究してほしい。どんどん良くなっているから楽しみだね。

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4月21日

きょうは、レッスンは一人だけ、久しぶりにのんびり出来た。が、雨だった。概してこういうものだ。
CD-ROMのボサノヴァを聞きながらPCに向かって気分は明るい。雨が降ってもブラジルは明るいのだ。こいつを聞いてると、落ち込んでいても、なんてことないさ。。という気分になれるから、良い。
ジョビンのEu sei que vou te amarを聞いて一人ロマンティックになっていた。 ジョビンは女心を歌わせると、ぴか一だ。カッコイイな。こんな音楽聞きながらこのまま一週間くらい休みだと良いな。。と夢想した。出来れば天気が良くて暖かければ言うことないのだが。。

よしおかゆかさん。声馴らしをしばらくしてから、前回やった声の共鳴を探ってみた。オの母音で上がり下がりしているうちに、1点hくらいで共鳴点がみつかる。ここから、響かせる発声をメインに勉強した。高音で口に指をくわえて、頭声を練習し、そのままの響きで降りて行くと、軽いが明るい響きが出てくる。ヤイヤイであごを下げずにやっていても、明るい上顎に響く感じもある。息も良く上に流れていくようだし、調子は悪くない。アやオの母音は良いのだが、問題はエの母音だ。あいまいに発音していれば、喉っぽくはならない。発声練習では、良い調子だが、歌ではどうだろう?ということで、Star vicino..を始めた。響きは付いて来ているが、最初は言葉がひっかかって、響きがつながらない。言葉をはっきりしないで、ということは、言葉の終わりと次の子音や母音との合間で口の形をなるべく変えないように、口を使うのだ。飴玉をくわえながら喋る感じ。指をくわえながら練習するのがこの場合良い。これをやってから、もう一度歌ってみる。おいいぞいいぞ!調子は良い。しかし、全部通して見ると、一番は良いのだが、二番になると、高音部の音程がはまらない。特に後半のボカリーズ部分の音程が上がるところで、声がはまらない。母音がイだったり、エであることが、息のスムーズさ、発声のスムーズさを欠く原因か?と最初は思った。音程を上に昇らせるときにその発音のために、下あごを後ろに引くようにすると、音がはまる。これを練習してみた。あるいは、首の後ろを伸ばすように、高音を出す。いろいろやってみるが、どうも何度やってもうまく行かない。はまらない原因に声のエネルギーというか息を送る力がどうも足りない感じがした。そこで、上昇するフレーズは自然にクレッシェンドするように、と教えたら、やっと響きがはまるようになってきた。彼女、どうも声を機械 的に扱う傾向がないではない。声が高くなると自然な興奮が起きないか?あるいは、体の中から沸きあがる小さな興奮みたいなものが湧き起こらないか?歌の、音楽の原点を大事にしてほしい。

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4月20日

にったさん。発声を重点的にやった。他に就いている先生に指摘された声のことが頭にあるし、また彼女も気になるのだろうと思う。要するに、声楽家らしい声。。というのは、喉が良く開いて適度な厚みと輝きのある声だ。最終的にきれいなソプラノになるとしても、これまたソプラノといっても右から左まで、様々である。重い声のソプラノから軽い声まで。ともあれ、彼女には声のメカニズムをある程度教えて、そこから自分の趣味嗜好にあった声を選んでもらいたいと思う。
今日は、特に喉の開きをやった。あくびの口の中の状態である。あるいは、顔を後ろに引いた姿勢。いずれも喉頭(喉仏)がある程度下がった状態になる。声を出す瞬間に喉の位置がちょっと高くなり過ぎるために子供っぽい声になってしまうのだろう。喉が下がって開いた状態で声を出すのは、どんな感覚なのか?覚えてほしい。
これらの、発声をやっていると、時折とても良い深みのある声が出ているのだが、本人がまだ分からないようだ。しばらく、このような基本的な声の練習が必要だろう。取りあえず。Je te veuxを歌ってみた。問題は音程が上がる時に、喉も一緒に上がってしまうことである。これは、音程で声を出す癖があるからである。音程を気にしないで、喉の状態を保つことを重視して、音程差に対応したり、あるいは母音の違いに対応することで、音質に差の出ない、深みのある声になる。フランス語の場合、特にJeやteなどのeのあいまい母音が狭すぎる。また、エも狭すぎる。もう少し口を縦に使うことで、喉が開くことを覚えてほしい。この場合気を付けてほしいのは。息は高い位置に向けて飛ばすことである。そうしないと、喉ばかり下げて歌うと、モゴモゴした野太い声になってしまうから。声と言うのはある程度「作る」もの、と思って、しばらく声作りに専念してほしいと思う。

きのしたさん。小さな可愛い大学生である。その割りには大人びた声をしている。上記のにったさんと逆にあくびの状態を作るのが慣れている。彼女の場合これが、逆にモゴモゴとした、こもったまたややフラットな音質の原因である。声と言うのは難しい。丁度良いポイントが見つかるまでは、難しいのだ。それから、息の流れが少し弱くまたお腹に力が入り過ぎるのか、声が揺れてしまう。姿勢もお腹を前に突き出してしまうようで、お腹を使おうとするあまり、お腹にすごく力を入れてしまっているようだ。もっともっと自然に息をお腹から上に吐くように使うことだけで良いと思う。声を出す、息を吐くエネルギーの足場は、むしろ腰からと思うくらいで良いと思う。これらの中で、まず簡単に治したのが、口である。縦にまた下あごを下げることをなるべく止めて、楽な口の状態で、声を頭部に向けて出すことだけに専念する。これだけで、下の響きが少なくなるし、息が上に昇るので、音程がフラットではない、明るい声になった。後は、息の吐き方が大切だ。今日は完全には解決してないが、なるべく一定の強さと量が持続するように声を吐く練習が大切である。それと、息の向きだけど、なるべ く頭部に向けて送ること。この状態を練習して、これに声を乗せる感じで行けば、息と声がミックスした楽なきれいな声が出る。あとは、高音の練習をした。5線の上、2点Eくらいから上の声を出すために、人差し指を軽く噛むようにして、練習をした。声を後頭部あるいは脳天めがけて当てるようにすると、ピ〜ンと響いた軽い良い高音が出た。口先は開き過ぎない方が良い。そして、声や息の方角は前よりも後ろあるいは上の方が良いだろう。クワイヤでソプラノということだし、無理に声を前に強く当てる発声は必要ないと思うから。Love's old sweet songを聞かせてもらった。イングランドらしい品格のある音楽だ。英語の発音がすこしはっきりしないが、声のためとも思った。そう言われていたのだろう。テニオハが日本風にハッキリし過ぎてもおかしいから。高音はしっかり喉を開いて当てるくらいで丁度良い。

なかがわさん。発声練習はとてもきれいに出せるようになった。声のポジションも悪くない。息の流れがスムーズ。高音もきれいに出ている。あとは、低音がもう少し当たるように待ちたい。曲は、ヘンデルのLascia ch'io pianga..曲になると母音の違いで発声で見せた声質が崩れる。特にエや時折アの母音が抜けてしまう。イの母音は良い。イの母音は声が前に出るのだが、エやアになると後ろに引っ込んでしまう。工夫が必要だが、探してほしい。
前回もやったが、もっとあごを引いて喉を下げるポジションを工夫してもいいだろう、今日は無理は言わなかった。特にレシタティーボでは、喋りの要素があるから、もう少ししっかりした中音がほしいのだが。あとは、緩急をもっとつけてほしい。アリアの出だしはていねいになった。もう少し響きがほしい。それと、休符を長く取らずに音符を長めに伸ばしてブレスを短めにして、滑らかにそしてゆったりと歌って欲しい。それが出来れば自然に悲しいこの歌の出だしが表現できるから。中音部の響きは、納得が行くまで探して欲しい。ちょっとした差なのだが、それがすごく大きいのだ。この曲の高音はとても良く響いて素晴らしい。この曲は高い音域から低音まで幅があり、ドラマティックなので、基本的には声のポジションが軽くならず、低くしっかりとして欲しい。とにもかくにも、アリアの出だしの響きと滑らかさテンポを大事にしてほしい。それが出来ればあとはうまく行くだろう。モーツアルトの"Cosi fan tutte"のデスピーナのアリアは、もっと発音を明快に響きを明るくしてほしい。とはいえ、声のポジションが高くはなって欲しくはないのだが。時折ピョンと飛び出す高音は正確に、パンと当てて欲しい。音程が下すらないよう気を付けて!

へんみさん。予想通り声は再び基に戻っていた。声を喉でもろに出してしまう。そのため、セロハンをびりびりという感じの声を出してしまう。とにもかくにも、喉を開いて、息を流して声になってほしい。。ということで、喉を開いた状態で声を出す練習をした。最初は、オの口の状態を作ってやったが、効果がなかった。あくびの状態、といって少し喉が開いた感じになる。しかし、少しすると、元に戻ってしまう。喉の位置の説明などして再びゆっくりとやり始め、最後に自分が模範でやってみると、何か分かったのか、すぐに良い状態で出せるようになった。こちらが、やってみせると、何か理解が深くなってすぐ出来る人がいるがものだ。要するに息の吐き出し始めが弱かったようだ。ものを放り投げる思い切りというのか。声の出し始めは慣れるまでしっかりと息を強く吐き出す感覚が大切である。それも、高く遠くにというのが大切だ。それと、おでこの辺りに共鳴させるという感じが良いようだ。腰を支点にして、息と声とをおでこにぶつける感じ。今日はこれだけで良いから覚えてほしい。曲はSebbeb crudele..これまた、初心者には難しいエの母音の連続だ。最初はオなどの母音で歌って響きを確認してから、言葉で少しずつゆっくりと作っていった。まだ不完全だが、声が大分出るようにはなった。彼女の場合歌う姿勢において、まだまだあごが出てしまう。これは、すぐには直らないだろうが、しつこく直していかないと、根本的には声の解決につながらないだろう。姿勢を見ると声を出すことにとても集中は出来ているのだが、どうもその集中が顔の角度になってしまっているようだ。歌う前の準備段階はまだ良いとしても、声を出す間際に出てしまう。口が首の後ろに付いている、というイメージでやってもらったが、あまり変化はなかった。もっともっとあごが引けた情態になってほしいのだ。そして、声を出す瞬間に絶対に顔を動かさないこと。体を固めてしまうような気がするのかもしれないが、そうではなく、首の張りが弱い筋力がないという風に考えてほしい。声はエネルギーだから、筋力は必要なのだ。姿勢、そして、呼気である。

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4月19日

さたけさん。発声は変らず良く声が出ている。頭部にも共鳴が出ているようだ。ブレスは高音になると少し苦しそうだがこれは致し方ないと思う。狭い母音などになると、どうなるか?というのが気になったが、ともあれ曲の練習にすぐに入った。新しい曲は、フォーレのEn priere..譜読みは比較的きちんとできていた。伴奏が3連符で歌唱が普通のリズムなので、どうなるか?と思ったがその辺りは大丈夫だった。声自体はさたけさんの今の声で、多少上ずったり、高音が抜けてしまう感じがあったが、それほど気にならなかった。ただ、歌っている様子を観察すると、やはり顔が良く動くし、ブレス時にあごが上がる。この顔の動きと音楽とはやはり一致していて、不安定である。特に高音に上がる際や、出しづらい声の時に顔が動くようだ。ブレスも苦しいときほどあごが上がる。この点を、鏡を見させて治してもらった。特に意識しなくても、鏡を見ているだけで本人は無意識に動かなくなる。これが、鏡を見ながら練習をする効果だ。これを徹底させると、声のポジションが驚くほど落ち着いて、声の上ずりがなくなった。また、高音もしっかり出て、抜ける感じもなくなった。後は発音である。特に気になったのが、DouceurとかDouleur,Seigneur..などのoeというあいまいな母音である。狭くなってしまうので、もっと広くすることが大切。そして、姿勢と共に下あごを下げないで上顎に声を響かせることをもっともっとやってほしい。特に、低音〜中低音部の音域で、母 音のために下あごを下にパクっと下げてしまうと、響きが落ちてしまうので要注意!特に最後のAu calvaireの低音のコーダはオの母音で下あごを下げないように、あごを引いて上顎に響かせて続けることで、声帯がきちっと合って息漏れがなくなる。そうでないと、ブレスが続かないからだ。これは集中力がいるし、また、そのためにこそ顔を動かさないことが大切である。今日は良い勉強が出来たと思う。

よしおかさん。
声馴らしに発声を始めたが、様子を見ていると、まだ顔の位置というか声を出す際の姿勢があまり良くないと思った。そして、声を出す方向性が悪い。声を支えるために腹に力が入るのは分かるとしても声が下に向かってしまうから、響きが出てこない。全体に音程がフラットになってしまう。まずは、喉のこととか姿勢はともかく、声を頭部に向けることを意識させた。これで大分声の基本として、喉が楽だし、声も上に向かうのだが、高音になると喉の位置が高くなるために、喉っぽい声になる。そこで今度は口をすぼめてオの母音でやってみる。こうすると高音は、喉が自然と下がるから安定してくる。こういうことを、何も言わずただ、こちらが指示してやって、本人がその違いに気づいてくれるかな?と思ってやるのだ。要は、以前にやったことの繰り返しだし、声を出すのは本人だから、本人が良い声の調子を身につけてくれるかどうか?が問題なのである。やっているうちに少しずつ思い出してくれるのだが、間が空いてしまうために、定着していないことがちょっと気がかりだ。別に急ぐこともないのだが、定着すればもっと音楽が歌が楽しくなるからだ。早く覚えてほしいと思う。今日は、姿 勢を徹底してみた。意外と顔の位置が前に行っているもので、きちっと胴体の真上に顔が乗った状態というのは、難しいものだ。こんな難しいことをしないと、歌が歌えないなんて、、と思うかもしれないが、元々現代人は姿勢がかなり悪くなっている、、と思えば良いのだ。いや、実際そうである。脳天の真上に穴があって、それが肛門までまっすぐに通じているような位置と思えば良い。それから腰だが、女性はどちらかというと、腰が中に入っている。逆に、お尻が後ろで出ているというか。。これは、声を出すための背筋が使い難い姿勢なので、お尻を前に少し出してやり、腰のラインをまっすぐにしてやり、そこを支点にして、歌うエネルギーを使う。このようなことをやって、ガンジスなど今までの曲を練習してみた。声が良く出るようになったし、安定した。まだ、慣れていないので堅いが、慣れればなんてことはなくなるから、早く慣れて欲しい。次回は、Danza ,fanciulla gentile..

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4月18日

あめくさん。発声では中低音を主に響きを上げる練習をした。響きを上に上げようとすれば、自然に喉が上がってしまうが、これは×だ。そして、鼻腔に直接響きを持っていくためには、あごをしっかり引いてやること。これは、顔を下に向けるのではなく、顔を後ろにずらしてやる感じ。二重あごになる程度に。喉頭が適度に下がって、喉から鼻腔への道が近くなる。響きが顔面に行くのが分かると思う。そうして、中低音の響きを上に持っていくことで、響きが明るく良い具合になる。これを覚えないと、大事な中低音が良く響かない。結局音楽的な旋律は中低音がとても大切なのだ。確かに美しい高音は声楽の醍醐味だけど、それだけというのは知性に欠ける。声楽家は知的でもあってほしいと思う。
グルックのオルフェをやった。実際の歌の現場ではやはり、下あごの使い方、上あごの使い方に慣れが必要だ。彼女の場合(皆そうだが、、)上あごあるいは頬など顔の上半分の筋肉がまだ使えていない。また、アの母音で下あごが動き過ぎるために響きが落ちてしまう。この2点を充分注意して対処してほしい。あと、高音を出す前のブレスは要注意。楽にやると軽い声でになってしまい、曲のイメージを壊してしまう。ドラマティックな表現なのだから、ブレスにも充分集中して、深く声を出すように。これは、今日やった首の姿勢も関係あると思う。概ねのところは分かって来ているようなので、後は練習と慣れだと思う。最後にケルビーノのVoi che s'apete..声が乗り易そうだったが、やや響きのポイントが高い気がした。これも顔の置き場所、姿勢が関係あると思い、矯正してみた。案の定、声がビンビン響いていた。

みくりやさん。今日は声が疲れているようだった。体も疲れているのだろう。声を楽に鳴らす発声程度に止めた。心がけたことは、体をリラックスさせ楽な状態にしてもらうことと、低音を充分練習したこと。声帯全体が震動するから声帯筋や軟骨などの動きも柔らかくなるのだ。無理に力を入れずに楽に低音を歌うことも喉を暖めるのに良いと思う。この後すぐに曲に入った。フォーレのリディアから。短いフレーズの単位で響かせる音と、響いた中で楽に歌うところの違いを分かること。例えば、Ly-di-aの3つの音の場合、ファーソーラのファをまず響かせておいて次のソは前の響きの延長で軽く乗せて、アをその勢いで息で伸ばす。こういう細かい組み立てでフレーズ全体、そして曲全体が組上がっていることを良く分かってほしい。このやりかたで、全体を練習してみたが、旋律の流れがとても良くなり、音楽が前に進むようになった。ブレスが持たないところは、大体が高い響きで息が抜けてしまう場所だ。そういう母音を捉えて、息漏れのないように特に口の使い方に工夫をしてもらえば、ブレスがそれだけ伸びることは、わかってもらえたと思う。結果が良かったのでApres un reveも。これはとても良かった。ブレスのポイントを気をつけてほしい。最後に一番難しいレクイエムのPie jesu..姿勢を矯正して、ということは、あごをしっかり引いて、息を当てるポイントを高く置いて高音を出すことの練習をした。イの母音で喉に引っかかってしまうのは、恐がるから。特に口は横に引かずに丸く使うように。決して顔を動かさないこと、一気に息で高く持っていくこと、出し過ぎないこと。この点を充分に気を付けてほしい。下手すると、喉に来るが、それを怖がっていては、進歩がないぞ!頑張ろう!

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4月17日

さぶりさん。発声では音程差を滑らかに歌うように練習した。その後レッスンのこと声のことなどを久しぶりに長々と話しをした。彼なりに声のことはもっと錬磨したい良くなりたいという気持ちがあるのだろう。ぼくはこうしたら良い、、ということは常々言うのだけど、本人が受け入れてどれだけ実行できているか?出来ていないか?については、あまり執拗には言ってないのだ。彼の場合は合唱団で歌うわけだし、本格的に治そうとした場合に、そこで障害が起きることも有り得るだろう。うまくやらなければならない。彼の場合合唱活動も相当な年数の経験があり、また、練習回数と本番が日常的に起っているわけで、そういう意味ではプロに近いものがある。こちらも、下手にいじくって壊してしまわないよう、最新の注意が必要である。ただ、俗に言うプロとて、完璧ではないのだ。その中で、やりくりしながら発声を少しずつ向上させていくためには、一回一回の指導者の助言を大切に、次に生かしてもらいたいと思う。例えば、姿勢。首の置き方。ブレス時のお腹の使い方。あごの使い方。発音時の口の使い方などなど。こちらとしては、助言できるだけのことはしてきたつもりである。後は実 行していくか?行けるか?助言したことを実行した場合に、必ずしもうまくいかない場合がある。やったことの意味がどういう意味があるか?何のためなのか?を良く理解して、継続的にやってほしい。体で覚えて行かないとなかなか身に付かないものだ。
曲は寺島尚彦さんの曲。いつもながら、シンプルで歌いやすくて心を打つ曲だ。言葉の持つ意味から曲全体のイメージを作り上げて、その中で声の持ち方をどうするか?考えてほしい。彼の場合、具体的にはゆっくり目のテンポで練習してほしいと思う。そして、静かな息の流れで滑らかに、軽く歌うことをテーマにすると良いのかなと思った。

ちばはらさん。発声では、軽い声で高音を練習した。下降形の場合の最高音の当て方はとてもきれいになっているし、相当な高音まできれいに出来ている。上向形になると、力が入ってしまい、難しい。声を合わせようとせずに、息を後ろに回して、息で当てるようにすることが上向形のフレーズの高音の出し方だろう。
曲は、寺島尚彦さんの曲。レクイエムの子守り歌?これも良い曲だ。言葉の持つ意味を単純にイメージを持って言葉を歌う際にいつもいつも、そのイメージをかみ締めて声にしてほしいと思う。ただ単に声を良くしたり発声を気にするだけでは、何の意味もない。具体的に一番気になるのは、オクターブの跳躍で上の声を喉で押して出そうとすることだ。言葉の意味からも、音楽的にももっともっと優しく軽やかに感じてほしいところだった。うまくうやろうとしないで、ニュアンスを大事にすることを少し大事にしてみたらどうだろう?そういうところから発声における声の鳴り方、響き方に繊細に対応する心が生まれてくるのではないかな?ぼくたちは音響機械ではない、と思うのはややもすれば声が鳴っている状態にだけ集中してしまうことだ。声は息と共に立ち昇る。息は心のありようで息の強さが変ってくる。息が声と自然に一体になっているのだ、としたらそれは心の表われである息が自然に声の音楽になって表現されることだから。思うこと、そして歌うこと。ちょっと抽象的だけど、もう一度原点に立ちかえって、どうしてこの詩を歌うのか?どうしてこの詩はこうなのか?どうして、こういう 音楽なのか?良く良く考えてイメージしてから歌ってみること。それに尽きるかな。。


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