しばらくぶりだったが、おめでた!だそうで、何よりである。
実は1月の本番の時にすでにわかっていたというから驚きである。
彼女の気遣いや、その気持ちには頭が下がる。
私の周りでは世界一幸せな女性の一人なのだろう、と思った。

というわけで、風邪もひいたし妊娠だしということもあり、声は絶好調とは行かなかった。
ちょっと長めの発声練習と高音のある曲を何度か歌ったが、帰る頃には声が完全に嗄れていた。
お腹も使い勝手がちょっと違うのだろうか。
ただ、以前も臨月までレッスンに来ていた人がいたから、大丈夫だろうとは思う。

改めて彼女の発声とモーツアルトのスザンナのアリアとRidente la calmaを聴いて、彼女の高音域の苦手な部分が良く分かった。

発声は下降形で母音をアで始めて、下から上がってみたがどうも喉から離れなくて響きが落ちてしまう。
それでハミングをしてから母音という順番でやると少し良くなった。
だが、ヤヤヤとかレレレとかラララとか、子音も付けてみたがどうも今ひとつであった。
何か声に精気が出てこないようだった。
だが、後々考えて、もっと時間をかけて発声練習をするべきであった、と反省。

2点Fくらいから上の領域になると、どうも喉をかばおう、、という意識が強くて、舌根で喉を下げてしまう。
それでも上手くポイントがはまれば、チェンジした響きで綺麗に出せるのでついついこちらも厳しくしなかったのがいけなかったかな。
もっと楽にリラックスして喉を当てることに慣れてもらうべきだったのだろう。

今の出し方だと、どうしても2点Aから上が伸びないという状態。
舌を脱力して、強すぎず、弱すぎず、喉を当てて声を出すという基本的なことを練習しておきたい。
母音はエなどが良いだろう。
下顎が下がらないし、頬が上がって軟口蓋も上がりやすい。
舌も奥に引っ込み難い。
ただし、怖がって喉を下げる力が強く働くと、かえって喉を痛めるだろう。
その頃合を良く見計らって、発声の方法を変えて行きたい。

とはいっても、もう後数回のレッスン。
だけど、最後までやれるだけやる事が彼女にしてあげられる唯一のことだと思った。