コーラス
みねむらさんのアーン「最後のワルツ」とあめくさんのオペレッタ「シブレット」の
コーラス部分の練習をした。
バスがいないので、私が適当に歌いながらピアノ弾きながらで、なかなか苦労させられた。
音取りは難しくないが、和音の構成音を声に出すのに慣れてない人たちなので、単純な音でも意外と難しいものだ。
その典型はオクターブの上か下かで迷ってしまったり、例によって和音の第3音あるいは7thの第5音、第7音などなど。
こういう音取りはなんとなく鼻歌みたいに出さないで、ちゃんと声を出してやらないといつまで経っても音が身に付かない。
しっかり出して間違いを直ぐに直して、和音感を身に付けるのが先決。
その上で、ピッチの修正となる。
ピッチが大切なのは、やはり低音部と中間音だから、アルトとテノールパートが大切だ。
音が取れて和音が決まったら今度はコーラスに徹するために、少し声量を落とすという順番だろうか。
特にみねむらさんのコーラスは、いわゆる歌謡曲のバックコーラス風で、ルルルかフフフ~となるので、大きな声でバリバリ、ということは在りえないので、その点だけ注意。言葉もないので、次回は完璧にやれるように練習して欲しい。
あめくさんの「シブレット」のコーラスは登場人物のコーラスだから、逆にハモリはあまりない。
「シブレットの登場」は、中央市場のアイドル、シブレットがやってくるので、皆、テンションが高い。
なのに、シブレットが元気がないので、どうしたの?というところで終わりになる。
最初からテンションを高く、しっかり喋る、歌うということである。
その次の「私の名はシブレット」は、特に中間部の特徴的なスペイン風の短いコーラスを歯切れ良く、言葉をはっきり声もはっきりと
やはりテンションを高くコーラスして欲しい。
練習時間がないので、次の10日の合わせまでに、くれぐれも音だけは完璧にして欲しい。
音取りをやっている時間がないのだ。
こういう機会にCDなど聴かずに譜面から音を起こす作業にも慣れるようになってほしい。
よださん
中田先生の「6つの子供の歌」は、なかなか面白いプログラムになりそうである。
今日は伴奏と歌のアンサンブルの練習が中心になった。
どの曲もそうだが、ピアノが勝ってしまうケースが多い。
特にしっとりと歌わなければならない、子守唄風の曲である。
ピアノの音量、特に譜面上のPやMpの音量には特に注意が必要。
また、PP辺りは、タッチに時間がかかる位で当たり前なので、テンポ優先ではなくタッチ優先もあるだろう。
逆に「たーんきぽーんき」などのような、元気の良い曲はお得意のようである。
乗りが良い。
歌手は子供のような気持ちで、良い声を聞かせるというよりも、無邪気に明るく声を出すこと。
歌は今のところ全般に良く歌えている。
気をつけるべくは、声を出すところで特に中音域は、いつも言うように、強く押し出すのではなく、高く響かせること。
喉で押しても、かえって暗くこもってしまうのである。
後は、最後の曲「おやすみ」は、自分でどんどん流れて歌うように。
逆にその前の「ねむの木」は、流れず、また少し威厳を持って歌うべきだろう。
暗譜が大変だと思うが、出来れば素晴らしい演奏になると思う。期待している。
さわださん
今日も伴奏合わせ。
今日は声のことが多くなった。
中低音で、強く出そうとすると、喉で押してしまうので、彼女の場合逆にスカスカになる。
スカスカになるのは、喉で押すからである。
軟口蓋を上げて、上から発音、発声する感覚が、ちょっとしたことで出来るので、それを実行してみてもらいたい。
いわゆるNga~をハミングでピッチを高く決めておいて、軟口蓋をぱかーっと上げる感覚で抜けの良い声が出れば成功だ。
それからやはり喉で押さないようにするためにも、顎を適度に引いて首をきちっと真っ直ぐに立てた姿勢が大切である。
そうすることで、喉で押したくても出来ないようになるはずである。
「秋」はピアニストさんには3連符を滑らかにすることと、波が岩を砕くような左手の低音のオクターブのメロディーを大切に弾いてもらいたい。後は歌手は自分の感情に応じて自由に歌うことである。
出だしは崖っぷちに立った、緊張感を持たなければならない。
発声で言えば、喉の開いた、だが軟口蓋を高く響きの高い発声を心がければ、出だしは上手く行くだろう。
そして最後の盛り上がりは思い切って自分の感情を盛り上げてぐいぐいと前に出る歌を歌って欲しい。
「捨てられた花」も、出だしはまったく同じである。
ピアノが強いので、ついつい声を喉で押してしまい勝ちであるが、そうではなく、響きを高く当てればそれだけで充分なのである。
後は途中のComme des fleur,,だったか、中音部の出しにくいところだが、このCommeのKの子音も軟口蓋からアタックする意識であれば響きが高く発音出来るだろう。
「祈りながら」は、高い響きが成功して、柔らかく美しい発声で素晴らしい。
「我らの愛」の始まりがやはりNの子音の発音が、ピッチを高くするコツになる。
それからNotreのOの母音は、aに近くした方が軟口蓋が上がりやすいので、
すぎたさん
今日は伴奏合わせ。
サルティの「 いとしい人から遠く離れて」は、修飾音符の扱いがややぞんざいであった。
それを直しだすと時間がかかるのと、声が出なくなるので、あまり細かいことを言わずに大きなフレーズで伸び伸びと歌うことを主眼にした。そうすることで、最大限彼女の良さが出てくるからである。
音大の学生ではないのである。
まあ、うるさいことを言えば、譜読みの時点で細かい修飾などはきっちり読み込んでおかないと、後になってから直すのが大変だ。
ただバロックだから修飾云々なのであって、それに縛られなければならないこともないのだが。
一応勉強なので、やれるだけのことはやっておく方が後々良いと思う。
それから声の揺れもなかなか取れない。
喉そのものを意識することも、取るということだけに関して言えば有効だろう。
喉から離れよう、あるいはイメージだけで響かせようみたいな意識があると、ある意味で声を「抜く」ことに繋がるがそういうことが
不要な声の揺れに繋がっている気がする。
というのも、フレーズの終わりで必ず揺れるからである。
それから、お腹を使って息を吐いて行くことと声を出すことが、本当に意味でリンクしているかどうか?
も関係あるだろう。
マスカーニの「アヴェ・マリア」はなかなか良い歌になってきた。
元々の出自も考えれば、アリアのように朗々と歌うべきなのだろう。
有名なメロディに至るまでの、出だしの部分は、語るようにさっさと先に進むようにするのが良いだろう。
何度か歌って喉が温まると大分良い感じになった。
中間部の中低音域は、下あごを降ろして喉を楽にして、歌うほうが歌いやすそうである。
高く当てるが喉はリラックスする、ということになるだろう。
最後の高音のロングトーンは1小節しっかり伸ばしきること。勿論音程は♭にならないようにだが。
モーツアルトのコジ・ファン・トゥッテは、表面的には一番安定していると思う。
暗譜を確実にして、言葉をリラックスして発声出来る事が成功の秘訣である。
イタリア語をモーツアルトの軽快で優雅なメロディとリズムに載せらる感覚が出るまで練習して欲しい。
はなむらさん
今日は主に高音域の練習をした。
この人、練習するとかなりな高音が出そうである。
そういう意味ではまったく未開発な喉をしているが、開発してみたくなる指導欲みたいなものをそそられる所がある。
彼女は実はミュージカルがお気に入りなので、ミュージカルを中心にやっている。
その場合低音が多く出てくるので、この辺りの発声も気をつけなければならない。
Pops調、あるいは宝塚調で発声を整えるのも良いかもしれないが、今度はクラシックがどうも、ということになりかねない。
その辺りが難しいところ。
だが、FantomのMy true loveは良い曲だ。最後の大詰めはついついピアノを弾く腕にも力がこもってしまう。
最後の「さ~!」が上手く行かないというのでついついムキになって教えてしまった。
ブレスの時に口を一端閉じてしまうと、せっかく開いた喉が閉じてしまうことと、ブレスは口や喉でしないでお腹の開きだけで一瞬ですることを教えた。腹式呼吸などと難しく考えないで、歌っている喉のまま、それを変えないでお腹を開けば自然に息が入りそのまま次も声を出すとだけ覚えておいて欲しい。
それから前も教えたが、この曲出だしの「わたしの~」の「わ」も中音域だが、無造作に出さないこと。
やはり軟口蓋を高くして、高く響かせることをしないと、ピッチが低くなって汚くなるのである。
今日は他にバッハのBist du bei mirとPiacer d’amorを練習したのが効果的であった。
特に後者の方は中音域でピッチの高い、響きの高い発声が練習できたと思う。
バッハの方は特に発音で、Uの発音で唇をしっかり突き出すことと、高音域はこの場合うなじに向けて出すような感じが喉を閉めない効果がある。
それから、エの母音も口を横開きにしないように注意して欲しい。
Piacer d’amorは、出だしの低音から響きを長めに取って、ちゃんとピッチを高く響かせること。
それが出来ていれば、後はオートマティックに良い中低音の響きで歌えるから、大切にしてほしい。
なかなか頑張り屋さんで俊敏な神経の持ち主なので、今後が大変楽しみな方である。