今日の発声練習の声はピカイチ綺麗だった。
高音はやはり2点Aくらいから明るい細い声で綺麗。
2点F前後がやはり太くなる。
ただ、その下の中音域が、これまた極上の美声だ。
本当につやつやで生まれたばかりの赤ちゃんの肌みたい。

どうしても気になるのが、その2点F前後で突然太くこもる声質。
後は、低音がもう後1~2度伸びれば言うことがない。

ところで11月12日ルーテル市谷センターで彼女の歌うラヴェルの「マラルメの3つの詩」をオリジナル楽器編成で行う。
土曜日には、その楽器の方々(フルート、クラリネット、弦楽四重奏、ピアノ)との初顔合わせ。
ということで、今日はピアノのふくまさんに、全体を弾いてもらって、全体のリズムの確認を行った。

ラヴェルの作品、増してオクテットだし、リズムの変化が大きいので練習指揮をしなければいけないからでもある。

彼女の声にはやはりこの曲は低い、ということは否めない。
そのため、今日の練習の結果として、声を押してしまう傾向がしばしば感じられた。
低い声を低い声として意識しなければいけないのは、3曲目の低音域だけで、その前の2曲はほとんど意識しないで、
ということは、なるべく明るく歌って欲しい。
彼女の声の基本は明るくて純粋な声だ。

2曲目はけだるさ、ほろ酔い、みたいな感じを良く感じて、フレージングにそれを表して欲しい。
1曲目は、もうひたすらかおりねさんの声の美点を出すだけである。
声量はいらないから、力まないで明るく歌って欲しい。
3曲目は、言葉の発音を明快に、そしてその明快さを旋律の線にきっちりと表して欲しい。

改めて指揮をしてみると、リズムの正確さがとても大切なことが分かる。
これは指揮しなくても、歌うものもその正確さをまずは確実に理解しておくべきだろう、と反省だった。
ともかくどんな音がするのだろう?と今からわくわくしている。楽しみにしている。

とよださん

1ヶ月ぶりだった。
30分近くもお喋りに興じてしまい、そこそこにレッスンとなった。
ご家族、周囲、趣味、色々と面白いものをたくさん持っている方で、なかなか魅力的な方である。

前回いきなり曲を歌いだしてみたが、声も出るようになった。
今日はどうだろうか?
と思ったが、やはり元に戻ってしまった。

見ていると発声練習がどうもしっくり来ないようである。
声をお腹から出す、ということがどうも上手く行かない。
笑いのツボにはまってしまうと、お腹の力が入らないのか、何か分からないがどうもしっかり声が出せなかった。
そのうち、どうも発声練習に集中できないようなので、ほどほどにして歌うことにした。

前回のモンテヴェルディのLascia te mi morireを数回復習しているうちに、声は出るようになった。
まだまだ喉で歌ってしまうが、ともかくもお腹を使って声を出すという単純なレベルでも覚えて欲しい。

次にAmarilliを譜読みして、最後にイタリア語を付けて終わりにした。
譜読みも時間がかかるか、と思ったが、意外とすんなりと出来たので安心した。
ある程度歌を歌っていきながら、音が定着したら声も自然に出せるようになるだろう、と思う。