もう出来上がっているようなもので、あとは合わせの回数、歌いこみだけだろう。
今日は伴奏なしだったので、私がつたないピアノを弾いて3曲それぞれ2回ずつくらい
歌ってもらった。
一番回数が多かったのが、アーンのL’heure exquise
非常にサロン風の歌曲で、アカデミックというよりマスネーなどの系譜を引くこの曲。退廃的で難しい。
何が難しいか?というと退廃的な雰囲気を出すためにはテンポをどのくらいにして
ブレスやらフレージングやらをどうしたら良いか?という設計。
アーンらしくてどう歌ってもそれなりに雰囲気が良いために、どう歌うのか?
を決定し難い。
ある意味ではピアニストの力量におんぶするところ大なのだろう。
特にピアノが奏でる両手に渡る大きなアルページュ。
淡々と弾いても良いし少しフレージングしても良い。
歌はやはりあまり早くない方が良い。
これまた指示はPas viteとしか書いていない。
これくらい曖昧なものもないだろうに。。
前回ブレスを一個外したところは、こちらがピアノを弾くと気持ちよかった。
その後のリタルダンドも問題ないが、ピアニストさんはどうだろうか?
恐らく合わせで一番難しいのはこの曲ではないだろうか。。
ピアニストさんが音楽を作れば良いのだ、と思う。
グノーのL’absentは、やはり素晴らしいものがある。
ピアノを調律したせいもあるがピアノの響きと声が溶け合って、まさに至福の時、L’heure exquiseであった。
弾きながら涙が出そうになった。
彼女は優しそうな声をしながら、いざとなると激しい心情告白が出来る声を持っている。
思い切ってやるべきなのである。
高音は引かないで思い切って前に出して欲しい。
後は、最後の高音で弱声の場合、音程に気を付けるくらいだろうか。
ビゼーのChanson d’avrilは、もう軽快なテンポ感しかないだろう。
絶対にノンビリ歌わないで欲しい。
ドキドキ感、爽快感を出して欲しい。
後は次回の合わせを本番くらいのつもりで聞かせて欲しい。
一発勝負である!
楽しみにしている。