まつださん
高校時代に1年、そして現在1年くらいレッスンを受けているとのこと。
大学時代は楽しみでボサノヴァを歌っていたらしい。
発声の声を聴くと、喋り声に比べて驚く程に重いメゾのような声である。
特に1点C~2点Cの1オクターブ。
ただ、それ以上になるとやはりチェンジして行くが2点F以上になると
ただ、チェンジしただけなので喉がきつく音程が悪くなる。
いわゆる胸声と頭声が分離してしまって、ミックスが出来ていない。
これでは高音も出しづらいし、中低音が重過ぎるだろうと思った。
ただしよかったのは胸声でも中を開く意識があるので、喉だけの地声ではないこと。
また、逆に胸声を練習していたせいもあって、かなりな高音までしっかりした声帯の使い方が出来ること。
30分ほど発声練習をした。
練習したことは、まずハミングで特に2点C~Gくらいまでをピッチを正確に高く取る事。
ハミングは口を開けてやること。
それからハミングから母音に変換して母音でも同じピッチで発声した。
ハミングから母音に変換することも、コツがあって口の開け具合の調節と
Ngaと軟口蓋を開ける瞬間に、開けた口の下あごを絶対に動かさないこと。
そうやって結果的に喉の下がり具合、軟口蓋の上がり具合、声の方向性が良いポイントを見つける。
今日は混乱するといけないので、あまりこの問題は追及しなかった。
ただそのために、やや鼻にかかった響きになってしまった。
しかし、ピッチを良くしたことと胸声区と頭声区の響きがミックスできた高音域の練習が出来たのが収穫だろう。
今日は彼女が今まで勉強したイタリア古典歌曲集中声用から、Star vicino,Nel cor piu non mi sento,Amarilli,Vergin tutto amorを
聞かせてもらった。
特に最初にやったStar vicinoは、Liで母音で練習。
響きを高く、特にメリスマ部では上の響きを押してしまうために、響きがはまらない。
頭部あるいは鼻腔にその響きを入れるように意識して。
また、低音が落ちてしまう。
お腹は低音で緩まないように。フレーズ中に落ちる低音こそ高く入れるように。
フレーズは息が出続けているわけだから、当然息は高く上っているイメージを大切に。
息だけでス~、あるいはハ~と練習してから、声に変えて練習してみる。
息だけで練習する際に、口から出すのではなく、軟口蓋に当てるように。
そうすると息の音が変わる。
その感覚を覚えておいて、声にする際も同じように出してみる。
というようなことを練習して、全曲歌ってもらった。
終わる頃には、ピッチが大分良くなったし、高音も大分自然に出るようになった。
全体に声がミックスされてチェンジの段差が気にならなくなった。
唯その代わりに、声が軽く低音があまり出なくなった。
これは副産物で仕方がない。
全体に声のバランスを取るためである。
喋り声と勘案しても彼女の声はソプラノだと思う。
あるいは本人がメゾの曲、声、歌が好きならそれはそれでまた発声の方法を取る事も可能である。
いずれにしても頭声と胸声のミックス、バランスを良くすることはまったく同様に大切なことだろう。
今後の成長を楽しみにしたい。