今日は久しぶりに発声を細かく見た。
以前から彼女の発声は舌根の妙な力みが癖にあると思って、ことある毎に練習したと思うが、このところは余りうるさく言わないでいた。
そんなこんなで1年以上になるが、今日は発声時に私が顎の下、あたかも猫を喜ばせる場所、ごろごろ言うところを触って、そこに力が入らないようにしてみた。
触ると本人は余計に意識するので、力まないで良い結果になる。
場合によっては力が入りすぎないで上手く行かない場合もあるが、彼女の場合は効果絶大である。それだけ力が入るのだろう。
特に母音のアだとなる。オも同じく。
エだと舌根が上がるのでならないのだ。
要するに発声イコール舌根を下げる、と身体が信じきっているから、その信仰を捨てるくらい思い切ってほしいのである。
また高音に昇るフレーズでも最高音でそうなる傾向が強いから、なるべく舌根を下げないように意識して欲しい。逆に喉が昇るに任せるくらいで丁度良いかもしれない。
その分、顎を良く引いて、おけば舌根が果たした役割を肩代わりしてくれるだろう。
とりあえず、まずはこの舌根の脱力だけは覚えて欲しいし、定着させたい。
今日は前回と同じく中田作品から3曲。
6つの子供の歌から「うばぐるま」
これは今日やった発声が生かされて自然で、無理が無く歌えるようになった。
低音も聞こえる。
高音といってもそれほど高くないから、力まないで軽く楽に出して欲しい。
高音を出すこと自体が目的にと思わないで、自然なメロディの流れの一つくらいに
思えば良いのである。
「たんぽぽ」これも良くなった。曲想に反して言葉は文語体。
これが歌詞を聴き取り難くする原因。
それは、意味を分かった上で、強調すべき単語、フレーズをきちんと意識して歌うことである。単に子音がどう、とか、言うことではなく、意味である。
たんぽぽーと歌うタンの響きが良くなった。
「真昼の乙女」も良く歌えている。
声に無理が無く自然に歌えるし、声もきちんと出ているのが好感が持てる。
後は、音楽の変化を良く感じて、ほんのちょっとで良いから、強さと柔らかさを
意識して使い分けられれば理想的である。
全体に、今日は声の調子が良かった。
舌根の力みだけ意識して、脱力できればかなり良くなるから、忘れないで次回につなげて欲しい。