NA

発声で前回わからなかったことを、言葉で伝えた。
ハミングから母音の響きに変える時に、喉を開くという感覚の作り方。
口の開け方で、共鳴が出るか?締まった響きか?という違いが出ること。

ハミングで1点Fくらいから上向形で、2点Gくらいまで。
どうも喉が締まっているようであった。
それで、1点Cのハミングで音程を決めてから、再度オクターブ上を同じ喉のポジションで出してもらうと、喉の開いた2点Cの響きになった。
それを覚えてもらって、後は、下降形、上向形取り混ぜて、3点Cくらいまで母音で発声練習。
全体に2点F以上できつかった高音がかなり改善された。
ただ、2点A辺りがどうしても力むか喉が上がるか?という傾向。
それで、U→Oという母音の変化で練習してみる。

ポイントとして、声を出すエネルギーを1~2割軽くするだけで、綺麗な高音になる。
声の出だしで力みが強いくないか?上に昇る時は、上に行くほど出せばよいから、出だしは軽くの方が良いと思う。
口も最初からばかっと開けすぎない方が高音で開けやすい。
すなわち、構えない発声、ということだろうか。

また、音程を低めに意識するだけでも、改善される。
声を出す方向として、鼻根辺りだろうか?あるいは大雑把に前と意識すること。

曲はミミの「私の名はミミ」
出だしの節から声が、浅く平たい声。
深く、口を丸く縦に。
要するにもう少し深みのある中低音を目指したい。

高音は発声の効果あり。非常に良い。
しばらくは、今日のレッスンと同じことを続けて、高音の発声に再現性が出ることを望みたい。
中低音は、喉が浅くならないようなアーティキュレーションで歌えれば基本的に良い声である。

SM

発声を低音から5度スケールで母音をイにして始めた。
非常に深く響きのある重い声である。
それで、次にJaにして再度同じ音域を。
これが、驚くくらい響きの抜けないAの響きになっていた。

ただ、惜しむらくは響きが奥まり過ぎて、ややだんご傾向の声。
基本的に声が抜けないのは良いから、これでもう少し響きが明るく前になると、もっと通る中低音になるだろう。
力で押さないで、通る声にするだけで良い。

高音は今度は喉がしまり気味。
それで母音をUにしてみたり、スタッカートで練習をしたり、色々トライした。
今日は出来なかったが、彼女の場合下の声の響きをもう少し上まで持って行くことと、喉を開くことを一緒に出来るようになることか?
結局2点Fくらいからのチェンジの段差がきついために、喉を開いた声で高音を、と思っても、細くなり過ぎてしまうようである。
もう少し胸声をしっかりさせて、その響きを上まで持って行くこと、その上で声帯を開いた声を目指すことだろう。
今までもやっていたが、何度もトライすることしかないと思う。

曲はデュパルクのChanson tristeから。
中低音が響きがこもってしまうこと、全体に声が小さくなってしまう。
アリアを歌うつもりで、大きなイメージを大切に。
声を抑制しないこと。そして、高音をしっかりと出すこと。

マノンのアリア Inquelle trine morbide
出だしのリズムは合格点。後は怖がらないで歌って欲しい。
高音は歌になったら、発声のディテールを気にしないで思い切って出すこと。
最後のフレーズはブレスせずに一気に行こう!

最後にドビュッシーの「星の夜」彼女の声質には合っていると思う。
高音は研究の余地があるが、全体に静かで軽やかなので、声的にも無理がなく良いと思う。