HA
声の調子は良く、とても滑らかで明るい良い声が出ている。健康的。
伴奏合わせをひたすらやった。
Star vicinoは、テンポの設定と後半を少しゆっくりにすること。
そして最後のLentamenteの処理だろうか。
その他問題はない。この綺麗な声で歌えれば、彼女の良いところは充分出せたに等しい出来となるだろう。
２曲目Lungi dal caro beneは、これも最終的に基本テンポの設定と、中間部のPiu mossoを思い切って速くしたこと、そしてそこから再現部へのつなぎで、母音Aで伸ばすところは、なるべく伸ばすこと。ポルタメントをかけて降りられれば良い。ブレスはしても良いことにした。
そして最後のフレーズ２回出てくる、２点Fの響きは充分テヌートして響かせたいために、その前のポイントでカンニングブレスを、ということになったが、これが難しい。
１回目はいれ易いが２回目、最後のフレーズは難しい。
無理に入れなくても良いが、出来れば高音の頂点はもう少し響かせたいところ。
解決策はないが、１回のブレスの出来と、フレーズの配分、特に高音の頂点にエネルギーをためておく事、であろう。
これはもう練習することであって、コツはないと思う。
最後、My true loveは、ほとんど伴奏の弾き方に終始。
３拍子のベースは大事だけど、２拍目３拍目の和音は鳴らし過ぎないでメロディラインを良く出そう。歌いやすくなると思う。
声の調子は絶好調なので、何も心配はない。
IM
発声はせずに、いきなり合わせにした。
ドナウディは、やや声の扱いが雑だったが良いと思った。
流れは良いし、声も安定している。ただ、節の終わりのフレーズが延びないために、声が小さくなってしまうのが惜しい。
問題は中田喜直の「悲しくなったときは」である。
前奏が１点Aで出るピアノで、声は２点Dで、どうもポジションが高くなってしまう。
声を出し過ぎてしまうか、音程が分からなくなってしまう。
音程が取り辛いのだろう。最終的に、伴奏を弾く前に２点Dの実音を出してもらうことにした。
発声はもう前からやっていることだけど、特に中低音は下顎を降ろさない発声で、なるべく頭へ、ということ。
それから姿勢。顎を出さないで歌おう。苦しくても顎を出さないと、特に中低音は地声にならなくなるし、高音も程よい声を出せば綺麗に頭声とミックスした良いポジションの声が自然に出るはずである。
高音域は力み過ぎなのだが、弱くても駄目だし難しい。
中間部は、テンポを速くして、とにかくどんどん歌い進むこと。
人生はいつか終わるが、のところ、人生の歌詞をはっきりと。
海だけは終わらないのだ、の終わるの歌詞もはっきりと。
何度も合わせてどうにか形になった。今日の結果を磐石なものにして、本番に臨んで頂きたい。
TF
声の調子はとても良かった。最終的にはブレスの問題はまだ未解決だけど、とにかくピッチを下げずに、綺麗な声で歌えているので良しとしたい。
ブレスする時も歌う時も、顎を前に出さない姿勢を大切に。
顎が出ないことで、ブレスがお腹に入る喉の状態のポジションが見つかるのだが、これはもう慣れしかないので、しつこくやっていくしかないだろう。
全般に声のことで注意したことはなかった。
中長期的に治して欲しいこと、治した方が良い点は、上記のことで、現時点では忘れないなら、出来るならという意味でやれるだけ
やってみて欲しい。
シューベルトLachen und weinenは、良いテンポになった。この曲は急ぎすぎないこと。
Rosenmundは、テンポを速くした。
シューベルトのアップテンポは馬の早足(駆け足ではない)のスピード感と潔さみたいなものを良く出したいからである。
とてもノーブルなのである。
ブレスがどうか？と思ったがどうにかなるので、このテンポで覚えて欲しい。
「かやの木山の」は、前回行ったことがきちんと出来ていて好感が持てた。
歌詞がところどころ分からないので、特に子音をきちっと出して欲しい。
伴奏との合わせだが、歌の出は、歌手が先にブレスをして合図。ピアノが出るという順番で。
その前の休拍のフェルマータでブレスは無理だろう。
全体に今の彼女なりに声が安定しているので、これで良しとしたい。
後は暗譜をしっかりして、自信を持って本番に望めれば成功だろう、と思う。
