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しかし本当に彼女の声は良くなった。
まだ超高音域は不完全であるが、2点E~Gにかけての響きは深みとつやを増して、とてもよい声である。恐らく超高音域への橋渡しになる鍵は、2点Aからになるだろう。
声の方向を後ろに、あるいは深く、あるいは口を開かないで上に、という具合に、響くための
アーティキュレーションを探してみて欲しい。
概ね口先をあまり開かないで、我慢してやってみる価値はありそうである。
今日歌った曲は、RossiniのLa promessaから。
課題は中低音だったが、意外とすんなり良くなった。
中音域、2点Cくらいから下は、喉を開けようとしないで、むしろ喉を浅めにして出すと明るい良い声が出てくる。
高音の特化した喉の使い方で、すべて対処してしまうと、中低音が深過ぎてこもってしまうのである。
母音で言えば、エの母音からアとかオに応用すると、ちょうど良いようである。
次もRossiniのLa pastorella delle alpi
4分音符=152と超早い曲なので、ゆっくり目で練習した。
イタリア語の読みは良く練習しておくべきであろう。
歌う前に読む練習は大切だ。
どんなに早口になっても、読めなければ、ちゃんとは歌えないはずである。
この曲でも5線の中は明るい声を出して欲しい。
高音のヨーデル風のメリスマは良く歌えていると思う。
そしてベッリーニ清教徒からQui la voce sua soaveを。
お似合いと思って選んだが、ピッタリである。
シリアスな声はとても良い。
聴いただけで笑顔で歌っているような声を研究してほしい。
後は、誰でも難しいと思うが、高音からの半音で降りる長いメリスマのフレーズを練習。
声のチェンジからが要注意。
特に2点Eナチュラルからの声。
最後にリゴレットからCaro nome
出だしから素晴らしい声が聞こえてきた。
後は2点Hから上の声に、響きが付いてくれば本当に素晴らしいと思う。
冒頭に書いたとおり、更に高い音域の訓練をこれから増やして行こう。