NY

発声はえらく元気の良い声が出て、1点Cから下降形で半音ずつ上がっていくので、こりゃ~だめだ!と、思いきや、むしろ調子が良くて、前回まで力んで出しづらかった、1点Aの声がすんなり抜けて、そのまま1点Bまで確実になっていた。

後々、曲をやって思い出したが、喉で踏ん張る癖をなくして、子供っぽい声になっても良いから喉を任せて上げてしまうくらいに開放してやれ!と言ったことが、功を奏したことに気づいた。
このところ、めきめき成長している。

曲はフォーレのNellから。
伴奏のせいもあるが、少し早くてリズムがとっちらかっている。
ビートを大切に、特に細かい音符を大切に。
それから、鼻母音の響きが全部Nがついてしまっている。
イタリアものと混合でやっていると、なかなか難しい面はあるかもしれないが。
狭い母音、特に高音のイは口を閉めないで、アのように開けて対処していた方が、まずは良いだろう。

次がPoem d’un jourのRencontre
こちらも、リズム。テンポをやりなおして、なるべく表示の4分音符=72に近いテンポにした。
その上で、やはり細かい音符や、ビートを大切に歌ってもらうと、それだけで品の良い演奏になる。
こちらも鼻母音を大切にして欲しい。

最後にマノンからデグリューのアリア、Ah! fuyez, douce imageを。
今日は細かいことは言わなかったが、高音の対処を。
特にQueで始まる1点Asの高音は、子音のせいで、喉を閉めてしまう。
ブレス時に喉を開けておいて、その口の開きの状態で、Kの子音発音をするようにして、喉を閉めずにアタックすること。
その後の1点bのAhのアタックも、同じく喉(口)を開けておいて、アタックである。

このような曲もどうにか歌えるようになったのが、感慨深い。なるほど、好きこそものの上手なれ、であると思った。

NA

フォーレのLa fee au chansonから。
今日は発音と母音の響きを比較的、徹底して練習した。
鼻母音を含む開母音の明るさや深さと、狭母音の良い意味での締まりを徹底。
要するにウが口をしっかり突き出してやる傾向と、AやEなどの、開いた母音がもっと明るくなること。
明るく、というのは喉まで浅く、と言う意味ではなく、上顎を良く上げた、いわゆる天井の高い響きを、ということである。
今までも何度も指摘しているが、明るく開口母音を作るためには、上唇を使うことで、喉まで浅くならないように。

こういったことをきっちりやらないと、この手の歌曲は他にやることがない、という個人的見解。
それは良い声が出ているから、尚更なのである。また、特にフォーレであるから、とも思うから。

後は、モーツアルト「後宮よりの逃走」のアリアを。
何度も通したが、最終的に練習を何度もしたのは、高音のパッサージュである。
中高音域は非常に明るく、また声が前に出て良い。

どうしても3点C以上の最高音域が少し重いのが気になるのであった。
実際歌っている口を見ていると、かなり大きすぎる位に広げている。
開け過ぎているがために、奥が開いていない印象で、多分分厚く当っている、という感じ。
声の重い軽いというレベルの話しだけではなくて、基本的な意味で、である。
あるいは、モーツアルトのこの役柄の声、モーツアルトの音楽、ということも勘案して、である。

レッスン最後になったが、スタッカートで口を開けすぎないで練習をしてみた。
それで、それほど開けなくても高音は出る、ということを納得してもらえたようである。
その後、再度フレーズで練習して、再び通してみたが、最高音域は見違えるようになった。

もちろん、声の温まりもあるので、それだけではないと思うが、温まらなくても、口を開けすぎないで中を開くことは
開発して欲しいところである。

また、次回から再度フォーレの歌曲で、中低音から中高音を当てすぎないで歌う練習をしてみようと思う。
それが、高音の出し方にどうつながるか?あるいはつなげられるか?彼女自身が納得してもらいたいからである。