TSK
今日はサティの歌曲を練習した。
驚くべきは、声がビンビン出てくるようになったこと。
合せて、高音が鋭くしっかり出るようになったこと。
特に2点G~Aの辺り。
Trois melodies de1886から、Les anges,そして、Elegie
後者の方が歌いやすそう。
多分下降形で始まるフレーズのせいだろう。
そして前者は高音域への段差の大きいフレーズが難しい。
しかし、いずれにしても、フランス語の読み、朗読さえきっちり出来れば、その通りに歌えば良い形になるだろう。
声そのものは充分歌える領域だから。
そしてTrois autres melodiesは、2曲目のChanson medievaleを。
なかなか典雅で古風な雰囲気で、サティの歌曲の面目躍如たる作品だと思った。
声は高い声まで驚くほどしっかり出ていた。良い傾向である。
作品への愛着が感じられる。
ところで、AutresなどのTrの子音の時にTに母音がつきやすく、ト~ルとなる点に注意して欲しい。常に母音の位置、子音だけの場所などに注意を。
最後にLudionsという曲集から、Spleenを歌った。
サティらしい雰囲気の曲で、その雰囲気がぴったりはまった唄を歌うから、面白い。
お洒落である。
全体にフランス語の理解や、朗読の面白さを感じられるようになると、更にこれらの演奏の深みが増すだろう。どうせやるなら、出来るだけその領域まで到達してもらいたいと思う。
表面的にやるだけで終わると、お洒落、という雰囲気だけで終わらせてしまうのは勿体無いと思うから。
SA
発声は前回良かったレレレでエの母音を中心に軽くやって、早速曲の練習になった。
Auroreは、ほぼ綺麗に歌えるようになって、2回通して終わりにした。
気をつけて欲しいのは、お腹を意識しないと、徐々に声が上ずること。
Dans les ruines d’une abeille
こちらは、まず母音だけでレガートに歌う練習を。
要するに、Lだけは子音がついても、口奥が合いたい状態を維持して、響きが途切れないように歌う練習。
その後、歌詞を付けて歌った。
歌詞発音で、最大の課題は、アとオの母音である。
要するに彼女の特徴である、舌が奥まって表面的には深い発声であるような発声になってしまうことである。
あたかも、何か仔細ありげな声に聞こえるのだが、それがフランス語本来の語感と少し遠い印象を与えてしまう。
また、発声的にも響きがこもった感じで損である。
以前から何度もやっていることだが、浅い声を出すのが生理的に音楽にそぐわない感じが最初はするかもしれないが、響きとしては鼻腔の響きが出来ているから、それ以上喉で何かする、表現しようとすると、必要以上なことになってしまうのである。
だから、アとオは大体だが、もっと口先とか浅いイメージで発声して丁度良いのだ。
また、母音を導き出す方法として、上唇を上に上げるようにすることも、この発音、発声には良いだろう。
最後にReve d’amourを上記の方法で練習した。
また、他の母音でも、特にウなどもしっかり深くすること。
そのための子音の活用法も大切だ。
口を突き出すためには、子音を発声する時の口の脱力がないと、突き出せないからである。
伴奏のシンプルで何ともいえない上質な響きとあいまって、フランス語本来の持つ美しい響きが歌になって、それらがアンサンブルされるとフォーレにしか出せない味わいが出てくる。
これらの発音と発声の関係を追及するだけで、恐らくフォーレの歌曲はかなり上質な演奏になる可能性が見えているから、もう少しこれらの曲で、声の表現を深める努力を続けて欲しい。