TK
今日は絶好調、という感じの発声の声で始まった。気力が満ちていた。
鼻腔の練習でminminminの声が良くてそこから母音を開口母音にしても、良く集まった響きである。
低音は大分集まった響きになってきた、低音での豊かな声量は難しいが、きちっと集めた響きを維持していれば充分使えるであろう。
それよりも中高音の真っ直ぐで力のある響きが持ち味なので、大事にして欲しい。
今日はバッハのコーヒーカンタータから。
声はとても綺麗なソプラノの声として、この曲に良く合っているが、歌詞の発音、子音の扱いがほとんど薄いため
印象が薄いのが損である。
特に語尾の子音がドイツ語には多いが、これが結果的にぞんざいになってしまう。
Schmecktのcktは、出し過ぎても後が切れるし難しいが、必ず出す、という意識だけは持つように。
歌というのは確かにメロディを歌うものだが、一方で歌詞を歌っていることも同じくらい大切なことではないだろうか?
そう考えれば、歌詞を歌う意識がぞんざいになってしまわないであろう。
恐らく少しばかり縁遠い外国語を歌うから、そうなるのではないだろうか?
日本語だと思って歌ってみるとどうだろう?
声楽は音域の幅や声質、声量も大切だが歌詞を扱う意識も忘れないようにお願いしたい。
最期にヘンデル、メサイヤからRejoyceを。
とても楽しそうに歌えていて好感が持てる。
メリスマの声が少し響きが散ってしまうので、密になるように、これから練習を重ねて行きたいと思った。
TT
彼女も低音~中低音の声は、喉を開く傾向で、結果的に少しすかすかする傾向。
そのためもあって、やや♭でこもる。
その練習も兼ねて、minminで鼻腔の響き、そしてJaJaJaで開口母音に響きを応用した。
低音域~中音域は、あまり喉を開かないで響きを鼻腔で作る意識を持つと、音程の良い通る声が得られるだろう。
モーツアルト、コジ・ファン・トゥッテの二重唱を譜読み、練習した。
譜読みがまだ完全ではないので、何とも言えないが特に問題はないと思う。
出来れば声のことはアンサンブルでバランスを取りたい。
モーツアルトVedrai carinoは、何度か通したが、ほとんど言うことが無い。
言うことが無いというのは、文句をつけようと思えばあるのだろうが、そういうことが気にならない良さがある。
良さは前回も書いたが、真面目に歌う良さとでも言おうか。
このメロディが本来持っている純粋さがこれほど良く判ったことはなかったのである。
声の調子は良く、中高音域も声量が良く出てきている。
中間部で低音1点Gに落ちるところ、何度か練習したが、響きを落とさないで前に集めるということであろう。
ホフマンの「オランピアのシャンソン」これは、やはり前回と同じく、中間で何度も歓呼する2点bの声である。
その前からそうだが、この2点bは呼気を良く準備して、呼気が良く廻った良い声をお願いしたい。
くれぐれも喉で当てた声にならないように。
最高音Esは、とても良い声が安定して出せている。
最期にヨハン・シュトラウスの「春の唄」を練習して終わりにした。
AC
ポイントは1点A前後から変わる声の特徴を意識すること。
どこが?といえば、喉が深くなる点であろうか。
なぜそうなるのか?判らないのだが、独特のこもり方があって抜けの悪い中高音の声になる。
歌う側の感覚になってみると、良い声の出方というのは、特に中高音は、息の流れが気持ちよく吐出される感覚である。
音が大きいのではなく、息の流れを基準に感じてみよう。
Au cimetiereから。
なかなか難しいと感じるのは、表現と声との関係。
最初のモチーフからの一連のフレーズは、表現を考慮しているのだ、と思うが、声は少し呼気が弱く不安定な印象。
それから中間部の強声は、まだ喉が締り気味である。
今日は新しい曲でGreenとC’est l’extaseを練習。
譜読みは良く出来ているし、フランス語もほぼ問題ない。直したのはリエゾンだけであった。
声のことは未だ先のことであろう。
Mandolineは、母音のメリスマを練習。まだ軟口蓋が良く開かない感じなので、時として音程が♭に聞こえる。
恐らく声を出している時に、息の流れで出すのではない、締まった当りの響きで繋いでいる感じなのではないだろうか?
感覚的には笛と同じで息をトゥ~トゥ~と繋いでいるイメージの方が近い。
En sourdineは、とても良い。強いて言えば、全体に歌詞がもう少しクリアに聞こえると更に良いと思った。
子音の扱いは、発声と密着していて舌が硬直していないことが大事なので、これも彼女には良い勉強方法であろう。