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フォーレの歌曲集「閉じられた庭」1曲目から5曲目までを練習。
それぞれ2回ずつくらいは歌ったか?
この3曲目までは、今まで何度かやったので、譜読みはほぼ完成。
ただ、全体に低音のせいか元気のない声の印象であった。
リズム感などはとても良い。

4曲目Je me poserai sur ton coeurは、シンコペの伴奏に引きずられて歌い難そう。
これは伴奏を気にしないで、自分の歌をしっかり歌えるかどうか?の力量が試される。

5曲目のDans la nympheeは、音程が難しく、後半で失敗。
だが、5曲目で低音の声をもう少し喉をしっかり開いて支えた声を、と指示したら俄然良い声になった。
声量が倍近く増えた感じである。
ブレスでしっかり喉を開いて、母音による響きの違いを極力なくしたレガートは唱法を大切に。

最後にもう一度1曲目Exhaussementを歌ってもらったが、録音で感じるよりはるかに低音は響くものである。
自分の教える勉強のために録音してみたが、やはり低音~中低音の声というのは、録音では再現性が悪いことが判って安心した。

やってみれば何と言うことなく出来るのは、そこに至る長い過程があってのことで、出来て見ればそんなものなのである。
だから、教える仕事は面白いし、自分も同じ声楽をやっていて、何十年やっても面白いのである。

さて、今日のフォーレでの中低音の声の練習と上達が、その後歌った、La sonnambulaのCome per me serenoに影響したのか、
このアリアではとてつもなく良い中高音~高音の声が聞かれた。

高音は抑制の効いた程よい強さと輝き、その高音と中音域のノーブルで女性的な声の色気のバランスが抜群であった。
歌いまわしもノーブルな調子があって感心。
声質と歌唱の均整が取れてきたと言えるであろう。

こちらに来て4年になるが、良い方向に進歩してくれたと思う。
特に高音はこちらも迷いがあったが、方向は収斂されたように思う。
この路線で確実に進んで頂きたい。
後、中低音の声も今日のレッスンでとても良い響きが出せたので、方法を確実にして欲しい。