ME
試演会前、最後のレッスン。
伴奏合わせで、アーンの作品5曲を演奏し、結局「リラの鶯」を除外。
高音のメッザヴォーチェが難しいという理由に加えて、最後の「春」の出来が良かったこと、
そして、時間制限のためである。
「春」の高音は怖がらないで、思いきり出すことだが、問題は、フレーズの流れで勢いよく大声にならないように注意。
その前の、ブレス後の2点Cからチェンジを意識して、上あご奥を良く上げて、音程をきちっと出すつもりだけの意識で出せば
綺麗に出るようになる。
その他、「星のない夜に」「クロリスに」」「彼女の館のとりこになったとき」いずれも、よく歌えていた。
何が?と問われれば、確実でしっかりした声の扱いに、おいてである。
必要にして十分な音楽の要素の表現が出来ていた。
試演会は、課題をチェックしてクリアする目標を持つことが大切だが、彼女の場合であれば、
上がっても、引かないで、しっかり歌うことを大切に、忘れないようにお願いしたい。
NY
前回は、少し不調であったが、今回は絶好調といっても過言ではない状態であった。
発声練習で、久しぶりに高音のハミングをやったのも、効果的であった、と思いたい。
音程を確実に意識しして、ファルセットではないハミングを1点F~bまでをターゲットに練習した。
その後、それを母音に変換して行った。
それから、胸を固く下に踏ん張らないで、拡げるように使う練習もした。
両手を上げながら発声していく方法である。
これらの練習で、音程が確実で大声で張り上げない声、が高音を確実なものにしていた。
曲はフォーレの「ある日の詩」3曲。
1曲目、2曲目は、高音を張り上げないで、かつ、支えの持てる声を確実にしていた。
3曲目は、特にうまく出来たのが、
カルメンからドン・ホセ「花の歌」
しばしば出てくる、1点Asの高音が非常にきれいに歌えている。
そして、モーツアルトのIl mio tesoro intanto
優しさみたいなものが、歌声から垣間見えて好印象。高音も安定して歌えていた。
最後にヘンデルのAriodanteよりAriodanteのアリアDopo notte
課題は数小節にわたって伸ばす1点Fの声。
ブレスを持たせようとするせいか、音程が♭になる。
単に、最初の声のアタックで、鼻腔に入れるようにアタックすることを、子音Kをきっかけにするだけで、きれいに解決しそうである。
AY
発声練習もそこそこに、まずは試演会の曲目、Vadoro pupilleそしてHe was despisedの2曲を通した。
Vadoro pupilleは元気よく高音が歌えているが、やはりブレスが少し気になった。
He was despisedは、前回より安定して歌えていたが、中低音の声質が目立った。
それで、まずはHe was despisedから練習した。
基本に立ち返って、顎をしっかり引いて、上あごに響かせる発声を教えた。
これが功を奏して、非常に安定した中低音の声で歌えるようになった。
Vadoro pupilleは、ブレスの長さそのものではなく、カンニングブレスとされているものを、カンニングとしては稚拙だとしても
とにかく、ブレスをきちんと入れる、ということだけに絞り込んだ。
きちんと入れないで歌うから、次のフレーズも中途半端になってしまうことだけは、避けたかったからである。
細かい過程は省くが、とてもよく理解実行してくれて、驚くほどの上達を見せてくれた。
たった1回のレッスンが、これほど充実したものになって、やってよかった。
本番は、必ずしも思ったとおりに行かなくても、次回へのステップとして、今日のレッスン内容を忘れないでつなげていってほしい。