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遠方に在住のためオンラインレッスンを継続的に行っている唯一の生徒。

元々Popsをプロとして歌っていた方だが、コロナ禍の影響で東京の仕事生活に見切りをつけて地元に戻られた。
2018年の9月に、それまでの喉を壊した経験から発声を見直したくてこちらに来られるようになった。

オンラインレッスンは東京時代のコンコーネのOP9から始まってすでOP10の21番まで進んでいる。
また、コールユーブンゲンの初見の練習はとても効果的。
音程感やリズムを読み取る能力が明らかに向上した。

コールユーブンゲンは、ドレミファの階名唱法で初見で読む練習である。
レッスン間は復習はしてもらうが、予習はしない方法にしてもらっている。

コンコーネはキーボードで音を拾って譜読みをしているようだ。
音源を聴いて耳コピはしていない。

これまでの丸3年でコンコーネ50を全部通し25もすでに残り4曲だけは素晴らしい!
しかも読譜力は初心者だったのである。

発声も順調に育っているが、素質を持っている方という印象。
地声が本質的にミックス傾向があるため、音程感が良いし良く通る声である。
ただ口を開ける発声が苦手であることと、胸声の影響なのか?I母音が口が開いてE母音になってしまう癖が強かった。

この点をこれまでも1年近くは、矯正する練習をしてきたのだが、今日のオンラインレッスンでこの点がかなり改善されるようになった。

この練習は、イタリア古典歌曲集のLascia ch’io piangaとDimmi amorで行った。
I母音は口を開けない事と、口の端を横に引かないことが大事である。

口を開けないでどうやって喉を締めずに軟口蓋を使うか?というのは、唇を突き出すように発声することで実現できる。
これを覚えないと、正しいI母音の中低音域の発声は完成しない。
ただ、高音の換声点から上はこの限りではない。

I-AやI-Oのような狭母音→開母音という母音変化で、口の開け方の変化を大きく取りながら歌えることで歌詞を歌う歌声の響きが効果的に達成されるのである。