はじめまして。 背中に息を入れる、という表現は歌うための身体の使い方としてと思ったほうが良いと思います。 声楽家は色々な表現をしますが、実際、生理学的には息は肺に入るだけですからね。 おっしゃるように、吐くことを意識しすぎて硬くなるなら、緩めた身体で自然に入るブレスを大切にする方が良いでしょう。 その逆の人もいるわけで、いずれにしても呼吸と書くくらいで、両者は常に相関関係にあるわけです。 常に自然にやって身体が硬くならない状態で歌えることはとても大切なことです。 それが出来た上で、ブレスの際に背中を少し開くように、あるいは胸郭全体を横に開くように意識してみてはいかでしょうか? 声楽の身体の使い方は一遍に理想どおりには出来ません。 出来ることから一歩ずつ積み上げて行くべきでしょう。 その過程で大切にすることは、無理なく、ということだと思います。 ただ、人によって身体の状態はまったく違います。 声楽的な身体を持っている人にとっては自然なことであっても、 そういう身体を持っていない人には不自然と感じることがあります。 たとえば喋る際の口腔内の使い方がドイツ人にとっては、実に日常的なことでも日本人にはまったく非日常的な使い方である、ことは多いと思いますよ。 ドイツ語やフランス語、イタリア語のネーティブの発音を聞けばわかりますが、日本語の言葉の響きとはまったく異なりますね。 声楽の発声が日常の言語活動の音声楽的なことと、まったく別個のこととは思えませんよね。 外人の先生にとっては自然で当たり前なことでも、日本人には不自然なこと、というのは実は多いものです。 また、使ったことのない身体の使い方はどうしても身体を硬くしてしまう、という過程を避けることは出来ないでしょう。 ここでもいえる事は、理想の目標ばかりを掲げても、その通りに行かないし、そこに行くまでの過程をどうやるか?という現実的な対処を考えなければいけない、ということでしょう。 自分にとって理解できること、出来ることから少しずつ実行してください。 ちなみに、お腹が鳴るのは自然です。横隔膜を激しく使うので胃がギューギュー押されているのだと思いますが。