新型コロナの影響で、今年4月に予定していた合唱団乙女座のコンサートが中止となりました。
会場はキャンセルとせず、12月12日に予定を延期して私の小さなコンサートを開催しました。
今回は新型コロナウィルスの感染を慮って宣伝をせず、ごく限られたお客様だけで行いました。
しかし、この小さな会場は私の印象では10名で充分ではないか?と思われました。
最大50席という触れ込みですが、少なくとも声楽の場合は50名入れると歌う方も聴く方も無理があるでしょう。
今回のプログラムはフォーレの晩年の歌曲集3つとピアノソロとしてラヴェルの「クープランの墓」全曲でした。
ピアノソロは、私の歌曲集の間に数曲ずつ入れてもらう形を取りました。
アンコールはフォーレの「秘密」と「ネル」を歌いました。
私のダメ出しとして、フレーズの長さを取ることが思い通りに出来なかったこと。
原因は、演奏前の解説でのしゃべりの声の使い方が悪かったせいで、演奏時の声の調子が思い通りではなく始まったこと。
本当は演奏前は喋りたくないものですが、お客様を前にすると自分が歌うフランス語で誰も知らない曲を説明なしには歌えないと思ってしまうのです。
それから、2回程、歌詞を落としたことです。
プログラムで1か所、アンコールで1か所落としました。
特に本プログラムで落としたのは、何度も本番に出している曲だったのでショックでした。
ただ理由は判っていて、余計なことを考えてしまった一瞬のことだったのです。
演奏時の集中というのは、実は頭が空っぽな状態であり、そこに何か余計な想いを突然入れるとおかしくなります。
発声については、この2か月くらいの追い込みで発見があったこと、それがある程度結果に出せた点が良かった。
歌うリズムを語りの感情に即した緩急をつけられるようになったこと。
これは、何度も何度も伴奏合わせをした成果だったと思います。
練習はし過ぎても悪いことはなかった、と思ったのは、実はこの歌とピアノのリズム感のすり合わせという点にあります。
ピアノは歌にぴったり合わせれば良いか?というと、そうではなく、また歌はピアノに合わせようとしないで独立したリズム感で歌うこと。
この両者が、絶妙な間合いで音楽を成立させることにアンサンブルの妙があるのだと思います。
もちろんこのようなアンサンブルが成立するには、それぞれが相応の技術的な力量を持たなければならないでしょう・・・・。
ピアノソロは、ラヴェルの難しい作品を見事に弾いてくださいました。
特に最後のトッカータは乗りの良いリズム感があり、とても良い結果を出せたのではないでしょうか?
静かな曲も、しっとりとした落ち着いた雰囲気が出せていたと思います。
ダイナミックの強弱も以前にくらべると良く出せるようになり、音楽的な表現がそこここに感じられるものでした。
さて、来年はプーランクのTel jour tel nuitを6月くらいに、これも限定公開でどこかのサロンを借りて行いたいと考えています。
また出来れば来年末くらいにデュパルクの作品を、ある程度まとめてご披露したいと考えています。
SNSなどではあまり宣伝しませんので、聴いてみたいという方は、こちらのホームページを時々見に来てください。
なお、今回のコンサートを動画でご覧になりたい方は、限定公開のURLをお知らせしますので、ご興味のある方は下記フォームからご希望をお知らせください。
希望数が揃いましたら、既定の日時に録画をライブ配信いたしますので、決まり次第お知らせします。
以上、よろしくお願いします。