この歌手は、ドリヴァル・カイミ(1914~2998)といって、古いブラジルのポピュラーシンガーです。アントニオ・カルロス・ジョビンのファミリー的存在でした。
すばらしい美声の持ち主ですが、このアップのフィルムを見ると、いかに彼がきちっとした発声を知っていたか、が判るものなので、ここに掲載しました。

歌詞の発音に関与しているのは、あごではなく唇であることが判ると思います。
そしてあごが少し下がる時は、声の響きを意識した時だけなのです。

また、発音だけでなくロングトーンで声の響きを響かせようとした時に、上下の唇を立てて、声の共鳴を得ようとするのが分かります。

なぜ、この人の動画を載せたかと云うきっかけは、実は師匠のモラーヌに声がとても似ているからです。
この人の発声に基本は、クラシックの声楽にまったく通じているからです。
ただ、今はこのような発声で歌う歌手は、ブラジルにもいないですね。