ヘンデルのオラトリオでは人気のある「メサイア」のアリア,Rejoice greately レッスンでも良く取り上げます。
この歌手の歌う様子を見ると分かりますが、音程に応じて下顎は動いていないと思います。
下顎は、降りているだけで、歌っているのは喉です。
しかし歌っている時の本人の感覚は、喉ではなく軟口蓋です。
軟口蓋のひだの辺りがプルプルと振動しているような感じがします。
あるいは呼気が軽く当っているような感じです。
下顎が動いてしまう人は、かなり喉に依存して歌っていると思われます。
この場合、喉に依存しているという意味は、喉の使い方が偏っている、という意味です。
軟口蓋が開く、という言い方を良くしますが、この下顎に依存しない発声を覚えると、あたかも軟口蓋に扉が付いていて、
そこがパカッと開く感じがするのです。
そうすると、呼気がそちらに流れて行くから、歌っていても楽なのです。
歌って苦しい、という場合の一番の原因は、この息が流れないことが大きな原因になっていると思います。