声楽発声における呼吸とは?
1、呼吸そのものは通常呼吸と同じ。
声楽発声の呼吸法、といえば何か特別な技術であると思われがちです。
たとえば腹式呼吸であるとか、常人では得られない肺活量とかです。
この点は間違ったことではないですが、このことが必須条件では全然ないです。
基本は通常の呼吸と全く同じであることを、まず抑えてください。
例えば・・・
息を止めても、声は出せるし歌も歌える。
なぜなら、息を止めていても声を出せば息が出てしまうからです。
呼吸自体は留まることがないので、その呼吸を利用することに発声上の真の意味がある。
意識された呼吸の中に、声楽発声に大事な方法がある。
息を吸う方法が発声に必要な状態を作り、吐く方法に声の響きを増幅させる意味がある。
もう一つ重要な点・・・
古典的なスタイルの音楽は、フレーズがあって呼吸に依存する声楽の場合、いかに呼吸を保つか?という要素が大きい。
つまり、いつもは無意識でしている呼吸を、より意識化に置いてコントロールすることになります。
呼器(吐く方の息)コントロールの考え方。
コントロールと聞くと何やら難しく感じますが、誰でもやったことがある呼気コントロールがあります。
それは息を止めることです。
息を止める時、どのような身体の使い方をするでしょうか?
この辺りの感覚を意識しながら、声楽発声時の息の吐き方を覚えて行くと分かりやすいと思います。
そうすると、必然的に大きな声を出さずに小さな声で始めることになるでしょう。
小さな声で始めることで、息を万遍なくメロディに分散させる意識が目覚めると思います。
ふつうに気持ちよく歌っている状態の息をコントロールしようとするのは無理があります。
なぜかというと、大概の場合フレーズの始り部分で大半の息を吐きだす傾向にあるからです。
声楽の息のコントロールで大事なこと。
*マイク無しで歌う。だから大きな声で歌う、という潜入観念を一切取り払うこと。
次回は息のコントロールの具体的な学び方を書きます。