これは開けないハミングに比べると、母音の響きを予測して作る練習としての意味が大きいです。
それから、鼻腔共鳴だけではなく、更に声帯を強く引き伸ばすための練習方法としても、有効です。
それは、母音でやるよりも、喉への負担が少ないし、不要な力みが出ないためです。
例えば、中音~中高音域で響きに芯が出ず、ファルセットになり易い女性の場合、とても有効です。
口を開けて、下顎を楽に降ろし、ハミングの響きを、胸に当てるようにすると、ファルセットになってしまう響きが
自然に、実声に近い状態になります。
ただし、音程をはめるためには、上あごの奥、軟口蓋をしっかり上げるスタイルも併せて必要です。
このように、ハミングは、色々な傾向を声の癖を持った人の、声区の調整をしたり、判断するためにも有効な方法だと思います。
さて、口を開けるハミングは、母音の響きを作る準備、と書きましたが、次にその方法を列挙します。
1、口を開ける開き具合は、最終的な母音の状態を想定して開けること。基本はAの母音が良い。
2、その状態でハミングを決めるが、音程をきちっとはめることと、声質には芯をはっきり持たせること
3、2までが決まったら、下顎を絶対に動かさないで、軟口蓋を開けるようにして、ハミングから母音変換する。
この方法で上手く行くと、音程が良くて響きが明るい、抜けの良い声の響きが出せれば成功でしょう。
良くある失敗が、鼻声になってしまうことです。
これは、ほとんどが軟口蓋が上がっていないか、下顎を下げることで自然に作られる喉の開きが出来ていないことだと思います。
喉の開きについては、また別の機会に書きます。
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