軟口蓋を上げる、とか開く、という行為は、それだけを問題にしないで
喉を開くことと対で考えるべきでしょう。
要するにセットで考える、ということです。
このことを一発で言い表す発声の比喩として、昔からで良く言われて来た言葉に「あくびをするように」というのがあります。
フランスに行っても言われたくらいですから、きっとどこの国でも発声の初歩としていわれているのではないでしょうか?
そうです、あくびをするのです!
しかし、往々にしてこれをやると、やり過ぎてしまいます。
やり過ぎると「団子声」などと言われます。
要するに、もがもがとした高周波倍音の欠けた、こもった太い声になってしまいますので、通らない声になります。
過ぎたるは、及ばざるが如し、と申しますが、やり過ぎないために、良く言うのが「あくびを噛み殺す」ようにです。笑
そして初心者の方に大事なのは、この「喉を開く+軟口蓋を開ける」というセットともう一つセットにするのが、ブレスです。
逆に言えば、ブレスをする際にあくびを噛み殺す、喉の準備状態を作る、ということです。
軟口蓋を開ける話で、喉も開けることがセットですから、ついでに書いておきますが、喉を開けた状態の声はどのようになるか?ということで、
これも昔、良く言われたのが俳優の「大河内伝次郎」の真似をしろ、というものでした!?
なんて書いても今の人は、多分ほとんど誰も判りませんよね。笑
ちょっと違いますが森進一の声なら判るでしょうか?あの人の発声は、頬を上げて軟口蓋を良く上げていますが、一見しゃがれて聞こえる声色は
実は喉が良く開いたものだ、と思います。
「っこんっばんわ~もり~しんいちで~す」という物まねが、これも昔は良く聴かれましたが、この物まねでも喉と軟口蓋を開ける行為の助けになりますね。笑
与太話も今日はこの辺で・・次回はまた軟口蓋の話です。