ハミングを練習する意味
ハミングは鼻声だと思っている方が多いようですが、鼻先で響かせる意味も実際もありません。
ためしに・・・
鏡を見て口を開けたハミングをやってみてください。
舌を盛り上げて咽頭にふたをし、口先に声が出ないようにしているだけ、ということがわかるでしょう。
ただし、声を出すという行為は、息を同時に吐き出していますから、口から出ない息は当然のように鼻から出ています。
そのため、結果的に鼻の穴を通って声が聞こえますから鼻声に聞こえるわけです。
これも試しにハミングをしながら、鼻をつまんでみてください。
声も息も出せないことがわかると思います。
もし出るとすると、それはあなたの顔かどこか秘密の場所から息が漏れているのでしょう!
冗談はさておいて・・・・
ハミングを練習する意味はどこにあるのでしょうか?
第一に、母音の形、たとえば、アルファベットならAIUEO日本語ならアイウエオの形に左右されない発声をすることが目的です。
母音の形に左右されない、と言う意味は、舌の形に左右されないと言う意味と、舌を奥に潜り込ませないで発声出来ること、の2つの意味があります。
母音は、AIUEOそれぞれ発音する際に舌の形で母音の形が決まります。
また、人間の耳は、その音の違いを聞きわけることによって、その音に左右される、という習性があります。
ハミングであれば、舌を動かせないわけですから、母音の形はないに等しいため、その形に左右されないで発声出来ます。
また、舌を喉奥に引っ込めないで出来るわけですから、団子声にならない舌に邪魔されないクリアな声の響きを作ることが出来ます。
この点がハミングの練習で大きい点です。
このような母音の形や舌の形に左右されない声の出し方は、当然、声帯の振動の仕方に固有の形を作ると思われます。
この固有の振動のさせ方が、音程の正確さを図りやすくしたり、高音発声の際の声帯の響かせ方に大きな影響を与えます。
特に高音発声において、ファルセットにならずにかつ胸声にならない、その中間の発声方法を会得する際に有効な練習方法になります。
中低音においては、音程の良い前に響く明るい声を得るために役立ちます。