古来、女性の地声は、少なくとも日本では悪い、とか使うべきではない、と言われることが多かったと思います。
それは恐らく、生っぽい声質であることや、クラシックで使うには品がない声質という意味があったのでしょう。
また、日本の場合は邦楽の伝統的な歌声に地声の特徴的な使い方があったために、忌避された面もあったのでしょう。
ここでは、地声発声についての誤解を解く事と、練習上のメリットについて書きたいと思います。
メリットは、喉を使わないために萎縮した喉、高音発声ばかり続けて緊張した喉に活力を再生させる、というメリットがあります。
喉は使わない方がよいのでは?という考え方は、間違っています。
使いすぎは良くないですが、使わないのはもっと良くないのです。
車のエンジンも、車を大事にするあまりにエンジンの回転数を回さないで、のんびり走ってばかりいると、不完全燃焼を起こして、
ヘッドにカーボンがたまり、従来のエンジンが持っている能力が発揮できないということがあります。
声とエンジンは別物ですが、筋肉は使わないと退化するのは事実です。
声帯全体を良く振動させる原点を感覚的に覚えることで、細部の使い方に良い影響を及ぼす、と考えてみてください。
地声発声が悪いはずがない、と思うのです。
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