フランス語の歌を教えることが多々ありますが、実はフランス語はイタリア語以上に日本人に向いていると感じてます。
理由は、日本人の一般的に柔らかい発語の調子が、フランス語の調子に自然に合っているのではないか?
イタリア語は予想以上に鋭い発音と音楽的な長母音の扱いが必要です。
それはさておき、日本人がフランス語の歌を歌うときに特徴的な癖があります。
もっとも多いのが、eのあいまい母音
フランス語は、おおむね語尾にこのeのあいまい母音が出ることが多いです。
このあいまい母音を、Uのように深い発音にしてしまいがちなのです。
特に多いのが、関係代名詞や接続詞で使うqueの語尾。
これをつづりでいうと、qouのようにしてしまう。
これは非常に気になります。
それから、やはり形容詞や名詞の語尾のeです。
エと発音してしまうのは論外として、これもuのようにしてしまう人が多い。
これ、理由があって歌声にすると、その方が声の響きを支えやすいと感じるからです。
自分も経験がありますので。
これがなぜ悪いか?というと、狭母音化することで、強調して聞こえてしまうからです。
語尾のeのあいまい母音は、もともとe muetといって発音しない母音ですが、歌う場合にだけ発声するのです。
結果的に、このあいまい母音が強調されてしまうと、フランス語の本来の語感がなくなってしまうのです。
語尾のあいまい母音は、その前の母音の口のままで舌だけを動かすことで、あいまいにしてください。
口先をすぼめないようにすることで、語尾の母音が強調されずに、自然にディミニュエンドされるはずです。