フランス語発音のレッスンで感じたことです。

発音そのものの理解よりも、単純に自分の歌声を無意識に優先させるために特有の癖が出ます。
つまり自分の耳で聞こえている歌声をメロディラインにする意識が強いことが理由だと思われます。
例えば、SousとかLourdのU母音や、MurmurやSurなどのy母音等々。
響きを鼻腔に集めると、U母音がyを混ぜるようになります。
カタカナで書くと、スーがシューのようになります。
この点を更にピックアップすると、Surの子音Sがスではなくシュになりやすいのです。

これは日本語話者に固有の問題かもしれません。

特に注意するべきことは、SIをシと発音してしまうことです。
どちらかというと、日本語ネイティヴは声を鼻腔に入れる傾向が強いです。
逆に言えば喉が高い声です。
あるいは胸声が弱いともいえるでしょう。
アナウンサーの語りを聞いていても感じられます。
やはりスとかルなどのようなU母音系に顕著ですね。
恐らく本能的に通る声で喋ろうとすることや、音程を正確に歌おうとすることでこの現象が生じるのでしょう。
この点について、こと声楽発声ということに限定すれば母音毎の響きの違いをいかに統一するか?
母音の違いを出しつつ音程良く整合性のある歌声にするか?
ということが、技術的に大きな課題となりそうです。