フレーズの音程感を正しく表現する技術

まず大事なことは、歌声のピッチと音程とは違うことを認識してほしい。
ピッチは歌声の一音一音の音の正確さであり、音程はフレーズ内の2音間を歌う各音の正確さである。
このことは基礎において共通の技術課題を抱えている。

その理由

一般的な音楽はドレミファソラシドという音階で構成されている。
楽器では、この音程が既に確固としたものとして確立している。
しかし歌声は、各人の経験の違いによって、その音程感が確立している度合いに個性差がある。
特に半音と全音の違いは、このドレミファソラシドという音階を正確に歌えることで、身を以て表現できるようになる。
ただし、歌声であるから、そこには発声という声を規定する技術的な要素も関係する。

特に中低音の領域は、声が太くなり易いため、音程の細かい違い特に半音の表現が難しくなる。
そのため中低音の発声は高音発声よりも、ピッチの良い声を先ず得る技術が必須になる。
これは、クラシックとジャズやポップスなど、共通の課題である。
ピッチの良い声が出せることによって、フレーズ内の音程感もより正確に歌えるようになる。

ジャンルによる発声の違いとその対応について

音楽ジャンルの違いで発声の細部は変わるが、ジャンル共通の課題としてピッチの良し悪しがある。
良いピッチ感のある声によるパフォーマンスによって、聴衆はメロディラインが良く分かって音楽をリラックスして楽しめる。
したがって、どのような歌声であっても良いピッチ感は必須。
中低音域の声で歌詞をしっかり表現したい場合は、スタイルに合わせた発声法を取り入れる方法はある。
どのような歌でも、ベースは音楽であるから音楽としての歌声を得る技術は必要である。