林光の合唱作品は「難しい」という合唱指導者の方がいて驚いたけれど、もっと驚いたのは「おしゃれですね」と言われこと。
言葉がなかった。この場合のおしゃれの意味は、どこか上から目線ですね、と同義であると判断できた。
要するにあんたは林作品が嫌いなんでしょう?と言いたくなった(笑)
かなり雑駁な話で恐縮ですが、合唱音楽は、まだまだメロディ重視です。
歌詞があっても、メロディをどういう声で歌えばどうはまるか?とか、フレーズの処理とか、美しく聞こえるということが大命題。
私にとって見れば、メロディや和音は歌詞を修飾する要素。いかに歌詞が美しく語られて、詩の世界が拡がるか?
そのためにメロディやハモリがある、という捉え方は、合唱音楽を変える大きな要素だと思う。
具体的に言えば、発声。頭声重視の発声は、ハモリ易いのは事実だけれど、それは溶け合うと言う意味でしょう。
頭声の方が確かに響きが溶け合うのは理の当然。しかし歌詞発音があいまいになる。
胸声の方が歌詞が明瞭になります。発声自体が語りに近くなるからです。
いかに胸声を上手く使いながら頭声の表現をも使い分けて、1曲を構成して行くか?というところが、指導者の腕の見せ所だと思います。