今日の東京、この時期で54年ぶりの雪なのだそうで、午後に車で出かけたころは冷たいみぞれ交じりの雨になっていました。
車を定期点検に預けての待ち時間、サービスセンターの近所で遅いランチを採ってから、昭和の香り濃い喫茶店でコーヒーを飲みながら聞いた有線の懐メロに思い出したこと少しばかり。
みぞれ交じりで思い出すのが高校を卒業した3月。
大学入学も無事決まって、9つ離れた亡兄が就職間も無く配属されていた、高岡を訪ねた時の思い出です。
兄は、東京から来た弟のことを金沢まで車で連れて行ってくれました。
多分、母親から電話で弟の面倒を見ろ、と命令されたのでしょう(笑)
車内のラジオで聞いた記憶が確かスリーディグリーズのwhen i will see you again
車窓は、まだ雪が残る一面の稲田でした。
金沢では、コーヒーが美味しい店があるのだ、と言って、歩いて探した喫茶店に入りました。
コーヒーを飲んで、タバコを吸って、何を話したのか?というと、多分何も話をしなかった。
外面は良いのですが、身内には驚くほど寡黙な兄貴でした。
この年頃までは尊敬していた兄貴でしたが、その後いろいろあって、すっかり疎遠になりました。
そして気づいてみれば、60半ばで肺がんになり、あっという間にあの世に行ってしまった。
兄貴という存在は、なくしてみると判るけれど、親ともまた違う血の濃さを感じるもので、その喪失感は得も言われないものがあります。
何か独りぼっちになってしまったような寂しさです。
みぞれの雪に昭和の喫茶店で思い出す、42年前のことでした。